電車の「大ばん取り」テクニック集
満員の電車では、乗っている人の人柄が表れる。
マタニティマークやヘルプマークを視認するや否や、すっくと立って席を譲る人。
世間に対して斜に構えている人からみれば、偽善に見えるかも知れない。
だが、一見、他人のためにみえるこの親切。実はこれは自分のための行為である。
自発的に他人の役に立つことで、相手から承認を受ける(「ありがとう」と感謝される)か否かに関わらず自らを承認できる。
今日の話はそうしたボランタリーに溢れた人ではなく、その対極にいる人たちのことだ。
ロングシート(窓を背にした長いシート)は定員が決まっており、たいていは奇数が規定されている。
「ここは5人掛けです」
と壁面にステッカーが貼られているということは、本来、5人が腰掛けられる座席を4人で占有する「大ばん取り」が後を絶たないからである。
「大ばん取り」という言葉は聞いたことがないかも知れない。
Google先生に尋ねても、出てくるのは飲食店がほとんど。
「大ばん(おおばん)」は山口県、広島県の方言で「大きな場所」のこと。
公共の場所で、自分だけが過分に広い場所を占有することを「大ばんを取る」という。
大ばんを取っている人には、心ある人が「あんた、大ばん取っちゃいけんわぁね」と諭す。
ただ、僕が子どもの頃の記憶なので、今の若い人はあまり言わなくなっているかも知れない。
それでは、筆者が20年にわたって研究した、電車内の「大ばん取り」テクニックを横着者順に挙げてみよう。
1.荷物を置く
一応、満員電車が前提なので、東京ではあまり見かけない。
ただ、大きい荷物を身体の幅をはみ出して膝に置く者はいる。
そして、この荷物がとなりの人の肘あたりを圧迫する。
荷物には神経が通っていないので、横着者の側にはわからないが、肘の上に置かれた側はたまらない。
2.足を組む
人は微妙に両足の長さが違う。
チェーン店の整骨院に行くと「ほぉら、こんなに長さが違いますよ!」と大げさに驚かれてしまう。
「これは長い戦いになりますね」とか言われると、それだけで帰りたくなる。
両足の長さが極端に違っていると、腰掛けた時に足を組まないと違和感がある。だからつい、足を組んでしまう。
こうした「足組男」を改心させる方法がある。
(足を組むのは男に限らない)
満員電車で足組男の前に立ち、組んでいる両足の間に自分の足を置く。それほど相手に近づかなくてよい。すると、足組男は組んだ足を戻せない。電車が混んで来たのに足を組んだままでいなければならない気まずさをしっかり心に刻めば、次からはやらないだろう。
つづく
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