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2020年2月21日 (金)

ナイキインフィニティとロードバイク

僕は彼女のヨコを通り抜ける時、なぜか最初に髪型をみた。
昭和歌謡の歌姫を思わせるような、頭皮にぺたりと貼り付いた黒髪にしっかりとした分け目がついている。
それが、古風に見えないのは、彼女が中学生だからだろう。


図書館で本を借りた僕は、階段を降りながら、その日から使い始めた新しい図書館バッグが、左腕を曲げて持ち上げなくても、地面にぞろびかないことを確認して嬉しくなったところだった。

駐車場に向かおうと歩き出した時、自転車置き場にいた子ども達のヨコを通り抜けた。

A やばいよね**
B そうだよね、**だし
C いいじゃない、図書館はお金かかんないし

男の子一人(A)と女の子2人(B、C)
堅実な発言をしたC子ちゃんに、僕は興味をもったから、僕はその足下に目が釘付けになった。

白と黒のまだら模様のアウトソール(ソールの靴底部分)
幅が広いリアフット・ラスト

インフィニティじゃん・・

ナイキリアクトインフィニティランフライニット
ナイキが「怪我の予防」をテーマに作ったリアクトだ。

■発売:2020年1月30日
■価格:17,600円

エピックリアクトは2018年SSシーズンに発売された靴。
インフィニティでは、前モデル「リアクト2」より、リアクト素材を24%増量。クッション性が増した。

特徴はヨコから見るとロッキングチェアのようなアウトソールの形。asicsメタライドのような狙いなのだろうが、メタライドのようにアウトソールが固くないので、歩き心地は平凡と推察する。

アッパーはFlyknit Loft。運動靴のアッパーとしては全メーカーを通じて最高と思う「フライニット」の改良版だから文句なし。

ラストの横幅が広めなのは、運動靴としては特異で目を惹く。これがナイキがめざす「怪我の予防」を実現している。


メンズは24.5cmからの展開だが、ウィメンズは22.cmからなので、中学生のC子ちゃんの足にもぴったりと合う一足があっておかしくない。

僕はC子ちゃんのお父さんの気持ちを想わずにいられない
自分も靴が好きで、先進の靴を履きたいと想っている。
特に今般発売された新作は「怪我の予防」を標榜している。
それを愛するC子にも履かせたい。
いい靴を履き、正しく立って歩けば、脳は安定する。育ち盛りで骨格もまだしっかりできていない年頃だから、怪我の予防につながるという靴の登場は願ったりだ。

自転車置き場から、それぞれの自転車をピックアップした3人が、コインパーキングへ向かう僕を追い抜いていく。

一見、どれも同じ自転車に見える
だが、僕は C子ちゃんの自転車だけは、なにか違うはずだと動態視力を駆使した。

前を往く2人のそれには銀色の泥よけが見える
一方、C子ちゃんの自転車にはそれがない
フレームが極限まで細い
極端ではないが、軽い前傾姿勢が決まるライディングポジション

走るための能力を突き詰めたロードバイクは、軽量化のために余計な部品がない。ただ、突然の雨に遭うと、はね上げた泥水で背中に黒い筋ができることになる。
そんなマッドガードもキャリアもないロードバイクに乗り、白と黒のまだら模様のソールを見せて、やがて彼女は見えなくなった。

インフィニティは1stカラーで「スニーカー通勤」に好適な"ほぼオールブラック"がラインアップされている。発売日には「見なかったことにした」のだが、実物を見ると、やはり興味がおさえられない。

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