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2020年2月24日 (月)

東日本大震災とマラソン「催否」「返金」

■催否

東日本大震災は2011年3月11日(金)におきました。
その時点で、当時2月開催だった東京マラソンは終了。
名古屋ウィメンズマラソンは始まる1年前でした。

以下は 震災2日後の3月13日以降、マラソンシーズンが終わる5月までの開催と中止の記録です。


新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)でマラソンが中止となる本来の理由は「感染リスク」
マラソンは地元の人だけではなく「旅マラソン」として旅+マラソンを楽しむランナーが多数やってきます。
現時点で発症者ゼロの都道府県だからノーリスクではなく、旅するランナーが持ち込む可能性があり、その感染リスクは何処にでもあります。


一方、東日本大震災でマラソンが中止になった理由は主に3つ
1.被災(コースの一部被災を含む)
2.警備要員が被災地応援に入るため手薄
3.自粛

東日本大震災の時に、何らかの理由で「自粛」したと思われる大会は、コロナ対応でも同様に動く可能性があると推察します。


■参加費用

東日本大震災発生後、大会を中止した大会の多くが参加費を「義援金」に転用しました。
「返金」しないことは規約に書かれていますが「転用」は規約にありません。
規約に書かれていないことですが、参加者に相談なく、主催者判断で決定されました。

義援金転用大会は以下の通り。

3月20日 板橋Cityマラソン2011
3月26日 伊豆大島一周マラソン
3月27日 佐倉朝日健康マラソン
4月10日 焼津みなとマラソン
4月17日 長野マラソン
4月17日 かすみがうらマラソン


今回、東京マラソンが返金しないとわかるや、政治家・大学教授・芸人とネット上の様々な人が「返金すべき」と発言しました。
一方、東日本大震災の時、政治家・大学教授・芸人は黙っていました。

唯一の例外は焼津みなとマラソン
参加者からのクレームをasahi.com が報じたのをきっかけに、話題に上りました。
(以下、asahi.comより引用)
>静岡県の焼津みなとマラソン大会を中止した主催者が、困惑している。
中略
>約1万人が支払った参加料を返還せず、被災者のために
>一部を義援金として送ろうとしたところ、 参加申込者から
>「本人の意思でするもの」などと苦情が相次いだからだ。

長野マラソンは既に出費していた諸経費を差し引かず、全額を義援金として送りました。その自らの懐も痛めるという態度が、参加者に共感を得られていたと思います。

全額返金した大会は、3月20日開催予定だった宿毛花へんろマラソン。
公式サイトで救援物資を送ったことを公表。物資費用と参加費の返金手数料は主宰者が負担したようです。

主催者は「参加者から、参加費は義援金に充てて欲しいという暖かい声が多く寄せられた」ことを、転用の根拠として挙げていました。
暖かい声があったのは事実としても、それが大半なのかは怪しく、事前に要項に書かれていない予算転用を無断で行ったことは、大いに問題があったと思います。
それに対して、政治家・大学教授・芸人、そしてメディアはほぼ静観したと記憶しています。

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