在宅勤務「機を見ても鈍」な経営者
在宅勤務日記(2)
2000年代に蔓延した「費用対効果病」はなりを潜め、2010年代はそれが「セキュリティ」に遷っている。
「セキュリティが気になる」と言えば、日頃から真摯にものごとを捉えているようにはみえる。
でもそれだけだ。
何もできないし、面倒なことは何もしたくない。
ただ、わかっている振りがしたいだけだ。
"架空のセキュリティ不安"を抱く人は別として、本当にハードルが高い企業すなわち、日頃から堅牢な基盤を敷いている企業は(人事制度と同様に)こちらも「超法規的措置」を採らざるを得ない。
急きょ降って湧いた「在宅勤務」のためにネットワーク基盤とシステムの改訂をするのは時間的にムリだし、そもそも経営者が予算を裁可しない。
「超法規的措置」とは一時的に、セキュリティレベルを下げることであり、それが「性弱説」でいうところの、不法行為の可能性を気づかせるきっかけになりかねない。
さて、話しを政府の対応に戻そう。
緊急事態宣言を出した後も、人と人との接触機会が減っていないとみた安部首相は、4月11日「オフィスの仕事は原則として自宅でできるようにする。どうしても出勤が必要な場合でも出勤者は最低7割は減らす」として、関係省庁に「すべての事業者に要請を徹底してほしい」と指示した。
これでようやく「機を見ても鈍」な経営者の尻に火がつく。
"自ら考えて行動"できない人は、外圧に弱いというより、外圧が頼りだ。
外圧がかかれば、自分のせいではなくなる。
悪いのは政府だ。僕が言ったんじゃない。経営責任は無いというわけだ。
自分の会社、部署において、いつ上長が「在宅勤務を指示」したか?
それで、その会社の未来が窺えると思う。
もしかすると、未だに「在宅勤務の希望を募っている」だけかも知れない。
そして、僕にもようやく「在宅勤務」がやってきた。
それは、我が家にiPadがやってくる時と同じくらい僕をドキドキさせた。
ずいぶん長くサラリーマンをやっているが、自宅で仕事をしたことはない。それも朝から晩まで。
僕はPKを左足で3回続けて成功させたら、4回めにはどうしても右足で蹴ってみたくなる性分だ。
利き足は左なので、失敗する確率が高い。
だが、そこに盲点があり、実は思いも寄らぬ結果が待っているのでは?と考えてしまう。
舗装された安全な道を歩いて行くのも好きだが、砂利道や獣道が見えていたらそっちも歩きたい。
何十年もかけて一度も経験できなかった「在宅勤務」のチャンスが今、目の前にやって来た。
つづく
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