モノを捨てる問題
コロナにより「家時間」が増えたことで、いま日本に「片付け」ブームが来ているという。
近藤麻理恵(以下コンマリ)は以前出版したベストセラー「人生がときめく片づけの魔法」を改訂版【期間限定 無料お試し版】として、Kindleで無料にしている。
2014年、この本を初めて読んだ時は、読書メモ欄に「DVDのケース、本をたくさん捨てた」と記している。
DVDのケースというのは、DVDディスクが入っていた空のプラケースだ。
ディスクは別の収納ケースに仕舞ったので用なしなのだが「いつか、誰かにディスクを渡す」時のためにとっておいた。
もちろん、そういう機会は一度も訪れていない。
それまで聖域だった本棚の本。
またいつか読むだろうと思っていた書籍。考えてみれば、読みたくなったらAmazonで古本が売っているし、たいていは図書館の書庫にある。
社会人になってから集め始めた雑誌の「創刊号コレクション」
初めのうち、いつか誰かに自慢しようと思っていたが、そんな相手は存在しないことに気づいた。それからは、どこかの図書館が「motoの創刊号コレクション」として引き受けてくれないかと思ったが、そういう例は1つあるだけで、それも、著名な蒐集家のためのものだった。
「人生がときめく片づけの魔法」を6年ぶりに読む。
ひとつの見開きを読み終える度に「かたづけスイッチ」が入ってしまい「そうだ!ブックピロー、捨てよう」となる。
Kindleは"前回の続きからちょっとだけ"という読書に向いている。
スイッチが入ったところで"本を閉じて"捨てたいなと思っていたモノにとりかかることができる。
ここではその「ブックピロー」を題材に挙げる。
LESELOTTE BookPillow
レゼロッテというメーカーが2012年1月に発売した"寝転がって本を読む"本の枕(ブックピロー)
Kindleが日本発売されるのは2012年11月なので、当時、僕の読書はすべて紙の本。
就寝時、肘をついて本を読むと肩が固まってしまう。
本を支える力を肩代わりさせて、疲れない姿勢をとるためのグッズはないかと思っていた時に、これを見つけた時は驚喜した。
マジックテープ(黒い帯状の部分)でスタンドと枕を付けて使う。
ところが、本には閉じようとする力があり、思ったようなポジションを取ることが難しかった。
当時はまだ「レビュー」で品定めするという習慣が世の中に根付く前。
実際の使用感は使ってみるまでわからない時代。
美しい造形、6,825円という出費が僕に「即廃棄」を躊躇わせた。
いつか使うかも知れない
いつかヒマになったらヤフオクで売ろう
恐らく、僕と同じ立場ならば、世の多くの人がそう思っただろう。
コンマリに尻を叩かれて「片付けスイッチ」が入った僕は最後の抵抗を試みる。
・周りの人に譲渡を申し出る
・ヤフオクに出品
・メルカリに出品
いずれも、コンマリがやってはいけないと言っていることだが、どれも不調に終わり「燃やすゴミ」となった。
8年間、H150×W310×D220mmの容積を占有していたモノは、1円も僕に家賃を払ってくれることはなく、時々「おい、お前、失敗しただろう」と古傷に塩を塗った。
6,825円の原価を少しでも償却できたとするならば、最後にこうして1日分の文章を書く題材となってくれたことだ。
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