ジャイアントロボの想い出
僕と母の思い出話です
僕が子どもの頃「ジャイアントロボ」という特撮テレビ番組がありました。
とは言っても、僕はリアルタイムでそれを観たことがありません。
なぜならば、ウチではテレビを見られる時間がとても限られていたからです。
テレビを観られるのは夕飯を食べながらの午後7時から8時まで。
それ以外は母に申告して、特別に認められたものに限ります。
従って"動いている"姿を見ることができたヒーローは「仮面ライダー」と「帰ってきたウルトラマン」のみ。
ただし「帰ってきたウルトラマン」の方は姉が見る「エースを狙え」と放送時間がかぶっていたので2週に1度でしたが・・
それでも、ある日、たまたまつけたテレビに映し出された「ジャイアントロボ」の造形は一瞬で僕の心を捉えました。
当時、他には「鉄人28号」などもあったのですが「ジャイアントロボ」の何を考えているのかわからない黒い瞳に魅入られてしまったのです。
子どもの頃に住んでいた盆地の町には商店街と呼べるものはありませんが、町に一カ所だけアーケードがありました。
佐世保の親戚の家に遊びに行った時「四ケ町」というそれは広大なアーケード街があり、それに憧れていた僕は、我が町唯一のアーケードを通る時はちょっと心躍るものがあったのを覚えています。
アーケード内にあるお店は果物店、洋服店など数えるほどでしたが、その町唯一のおもちゃ屋さんがそこにありました。
ある日、お使いで町へ出た帰り道、通りかかったおもちゃ屋さんで僕はそれを見つけてしまいました。
「ジャイアントロボ」セルロイドのおもちゃです。
色は灰色、彩色はされていませんでしたが、ウチのテレビは白黒だったので違和感はありません。ジャイアントロボに色が着いているのを知ったのは、大人になった後。
値段は120円でした。
もちろん、昔ですから、消費税はありません。
帰宅した僕は、お使いで買ってきた豚バラ肉を渡す時、ダメ元で切り出してみました。
それまでヒーローのおもちゃは何も持っていなかったし、母が首を縦に振るとは思えなかったのです。
ところが、母の答えは意外なものでした。
「毎日10円ずつためたら、半分は出してあげてもええよ」
僕は毎日のおやつ代として10円をもらっていました。
1ヶ月分前渡しではなく「日払い」です。
その10円を受け取ると、近所の「ニシムラ」や「ハラダ」といったお菓子を売っている雑貨店に行き、おやつを買うのです。
当時、たいていのお店は「ドリーム」とか「ハッピー」とかではなく、こうした店主の名字そのものに「商店」が付くものが大半でした。
「マツオ文具」「タナカ書店」「フクモト菓子店」「ヤマガタ精肉店」といった具合です。例示にしてはちょっと多いですが・・
つづく
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コメント
「ジャイアントロボ」懐かしいですね。
偶然ですが、最近「東映特撮ファンクラブ」に加入し
ジャイアントロボを見ました。
「何を考えているかわからない黒い瞳」という部分に
思わず笑ってしましました。
続きを楽しみにしています。
投稿: アラブ | 2020年5月 8日 (金) 12時18分
東映特撮クラブというのがあるんですね。
昔の東映ヒーローネットみたいなものかな・・
つづきをお楽しみに!
投稿: moto | 2020年5月 8日 (金) 18時12分