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2020年5月24日 (日)

中一時代 百恵ちゃんの万年筆

シンちゃんがラジカセを買ってもらった
シンちゃんは僕の家から50mほどの一戸建てに住んでいて、2階の僕の部屋からは、同じく2階にある彼の部屋が見える距離。

家が近いと言うこともあって、よく彼の家に遊びに行った。
彼の父親がどんな仕事を営んでいるのかは知らないが、その家が裕福であることは明白で、シンちゃんの個室に行くと、僕が欲しくても買ってもらえないモノがいろいろと置いてあった。


毎月「中1コース」が発売されると、僕はシンちゃんを訪ねた。
その雑誌にはアンチョコつまり教科書ガイドと言えるものが別冊付録で付いていたからだ。
今の子供たちが自動翻訳を使っているのかは知らないが、当時、英語の予習は子ども達の大きな負担だった。


中1コースというのは学研が発売する学年別月刊情報誌。
旺文社には「中1時代」がありしのぎを削っていた。

年が明けると、4月から中入(ちゅうにゅう)する生徒の囲い込みが両誌によって行われる。それぞれが中一誌の年間予約にプレゼント(景品)を付けて、小6生のご機嫌を伺うのだ。
それを看板となる芸能人が薦めるテレビCMが流されていた。
私の記憶が確かならば・・・
中入した年はコースが桜田淳子、時代が山口百恵
確か時代の景品は万年筆だったと思う。

僕はその頃、毎日、日記をつけていたのだが、別に万年筆でしたためたいというわけでなく、ただ「百恵ちゃんの万年筆」が欲しかった。
今と比べれば、当時はまだモノがない時代で、子供たちは未だ使ったことがないモノに飢えていたのだ。
景品は年を追う毎に進化を遂げ、後には小型ラジオなどもあったと思う。


この「年間予約」は、1年間の代金先払いといった厳格なものではなく、版元から書店には予約数が定期配本されるのだが、消費者側は事情により中止することができた。

1980年代後半には総合情報誌が売れない時代となり、1990年代に両誌とも休刊になった。
ちなみに「休刊」というのは事実上の廃刊を意味するのだが、雑誌コードや商標権を保留するため、つまり、万が一にも再刊することになった時に権利が維持できているよう、そう宣言される。
ただ過去40年間、休刊した雑誌が、その雑誌コードのまま再刊したのは記憶にない。

その日、シンちゃんの部屋に行くとナショナルのラジカセが置いてあった。

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