FMリクエストアワー1回の放送で3回ハガキを読まれる
FMリクエストアワー、通称「Fリク」
NHK FM長崎では、毎週土曜日午後3時から3時間ほど。
私の記憶が確かならば・・
前半が邦楽、後半が洋楽のようにコーナーが分かれていたと想う。
その名が表すとおり、かける曲はすべてリスナーからのリクエスト。
「RKBベスト歌謡50」のようなランキングではなく、リクエストが多いものだけがかかるわけではなかった。
僕にこの番組によって「アワー」という単語を「楽しい時間」と記銘したので、大人になって「ラッシュアワー」に悪いイメージが沸かない。
もしも尾崎豊が「Fリク」で育っていたら、今頃どこかでサラリーマンとして暮らしていたかも知れない。
次の曲は甲斐バンドのバス通りです
甲斐バンド、新しいアルバムが出ましたね
さてリクエストは島原市の夢見る少年さんから
「**さんこんにちは!(こんにちは)
毎週聞いています(ありがとうございます)
私の一週間はこの番組を中心に回っています
甲斐バンドのバス通りをリクエストします
この歌詞を聴くと憧れの女子のことが目に浮かび、胸がきゅんとなります^^;)
これからも、がんばってください!」
といただきました。
同じような声をたくさんいただいていますねぇ
・・・と、こんな感じで数人のハガキが読まれる
(当時、絵文字はない)
メッセージを紹介するのは1曲につき1人か2人。あとはペンネームだけが読み上げられる
僕はこれに人生を賭けていた(笑)
よほどのことがない限り、メッセージは書かない
ただ、ペンネームを読み上げて欲しいだけ
初めの頃は曲名、歌手名、ペンネームだけを書いたシンプルなハガキだったが、凝りだしたら止まらないのが僕の悪いクセ
エアチェックしたい曲の発売情報を得ると、引き出しから買い置きのハガキを取り出す
鉛筆で下書きをしながらハガキのレイアウトを決める
そこで、本来ならば参考書を塗りつぶすために、親から買い与えられた緑・黄・オレンジの「蛍光ペン」が登場
文字を色分けしながら立体的に浮かび上がらせていく作業だ
今のようにフリクションはないので、失敗しないよう集中する
作業時間は日増しに長くなり、ついには1枚を仕上げるのに1時間はかけていたと想う。
その甲斐あって、僕のハガキは毎週のように読まれた
多い時は1回の放送で3~4回読まれることもあった
まさに「常連」である
ある時、ハガキを読む女性パーソナリティがハガキのクオリティに言及した
「◆さんからいただきました。この◆さんのハガキ、いつもスゴイですよねぇ。蛍光ペンで書いているんですよね~、お見せできないのが残念なのですが、毎回、すごく力作を送ってくださるんです」
僕は感無量だった・・
かというと、そうではなかった
なにせ、若くてお調子者なのだ。まだ、謙虚という言葉をよく知らない
賞賛に気をよくして、さらにハガキ作りに時間をかけるようになり、止めておけばいいのに「これを書くのに1時間かかりました」といったことを書き添えた
幸せの絶頂にいる時は、その幸せがいかに脆いかを気づかない
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