季節外れだが、バレンタインデーを思い出した
それはまだ、世の人々が平成という響きに慣れてきて、もうこれからしばらくはこの時代が続くのだろうなと思い始めていた頃の2月14日、そうバレンタインデーの出来事だ。
かつてほどの勢いはなくなったが、それでも、企業の職場には「義理チョコ」という風習が残り、それに乗じて「義理チョコ」の振りをしたちょっと気のあるチョコのやりとりが行われていた。
まだ、世の中の男性たちが「セクハラ」や「パワハラ」で懲戒処分を食らうようになる前の話だ。
その頃の僕は「義理チョコ」さえもらうことがなくなり「あぁ、義理でももらえば嬉しかったな。昔は良かったな」と懐かしんでいた。
しかし、職場には年下の女性が居なかった。
居たのは10歳以上年上の女性だ。
手っ取り早く書けば「おばちゃん」である。
別に義理チョコは年下の女性が持ってくるものだとか、年上の人からもらいたくないと言っているのではない。
ただ、一般的におばちゃんがピンポイントでチョコをくれるというのは、想定しづらい。
なかには、すべての男性社員分を買って来て、こっそり配っているおばちゃんが居たが、なぜ、こっそり配るのか謎だった。
(論点がずれている)
その職場には3か月前から、SIerから来た派遣の女性(ササキさんと呼ぶ)がいた。
「しあー」ではない。エスアイヤーと読む。
クライアントの要求に応じた、システム開発を請け負う業者。
System Integrator = システムインテグレーター屋さんという意味だ。
よく混同される「ベンダー」はソフトウェアの製造販売業者
ベンダーはパッケージを(作って)売る会社。
SIer は個別にシステムを作る会社である。
佐々木さんは歳の頃で25歳前後
最近の芸能人で似ている人がいる。えっとNHK連続テレビ小説でアニメを書いていた人、そう広瀬すずだ。
彼女が所属するSIerが取り扱う案件に、僕は絡んでいなかったので、佐々木さんとは一度も話したことがなかった。その日までは・・
バレンタインデーもお昼を過ぎ、もうすぐおやつ時
今日も義理チョコ1つ来ない
すると、遠くからササキさんがやって来た
何処へ行くのかなと思っていたら、だんだんとこっちへ近づいてきている。
僕の後ろには誰も座っていない。僕は窓際の隅っこに座っている。
見ると彼女の手の中には、リボンがあしらわれた可愛い包装紙
いよいよ、彼女が3mのところまで近づいた
まさか、まさかね・・
僕は彼女が視界に入っていない振りをしてパソコンを凝視
彼女は僕の席の右となりまで来て立ち止まった
まさかが起きた?
「すみません」
つづく
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