LPをまるごとかけてくれたエアチェック御用達のFM番組
それは木曜の午後6時
週に1度、僕にとって最大のイベントの時間がやってくる
少し早めに部屋に入り、紐を2度引いて蛍光灯を点す。
二灯並んでいる蛍光灯の片方だけが点る。
ここから約1時間は、どんなことがあっても紐を引くことはない。
デンキをオンオフすると、それがラジカセに「ぶつっ」というノイズとして録音されてしまうからだ。
その時の強いプレッシャーが今も拭えないのか、調光できるシーリングライトを手に入れてからも、デンキの切替は最低限に抑える習性が身に付いている。
1日じゅう出かけない日は朝「白い色」をつける。
日が暮れる頃「全灯」に切り替える。
夜寝る前に消す。操作はたった3回だ。
ある時、僕がレコードを録音している時に、姉が部屋に入ってきて「デンキば明るくせんね」と言ってデンキを操作した。
僕は散々文句を言ったあと、録音を最初からやり直したのは言うまでもない(言うまでもないのか・・)
NHK FMを選局
といっても、長崎ではFMはこれ1局しか入らなかった。
AMならば福岡、SWならば海外の電波も入るのだが、FMの電波は遠くまで飛ばないので、長崎県内の放送局に限られるのである。
番組の名前を憶えていない
「音楽のゆうべ」
「夕べのひととき」
なんか、そんな名前だった気がする
いま「Google先生」に聞いてみたら「夕べのひととき」で合っていた。
先生はなんでも、知ってるな~
この番組はありがたいことに、LPレコードを1枚まるごとかけてくれた。
ぷっぷっぷっぷー
他局より1回多い NHK、6時の時報が終わるとDJが挨拶も早々に今日かけるアルバム名を紹介する。
それで、その日、エアチェックできるレコードがわかる。
よし、もらった!
今でいえば「きたーーーーーーーーーーー」
という日はまず[PAUSE]を押しこんでから[REC]+[PLAY]を押下してスタンバイ
息を殺して彼女の声に耳を傾ける(彼の時もある)
記憶にはないが、ここで、曲目と曲数の紹介があったかも知れない。
DJの「それではお聞き下さい」という言葉が終わったのを見極めて「PAUSE」ボタンを一旦押しこんで離す。
勢いよくカセットテープが回り始め、音楽が始まる。
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