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2020年6月20日 (土)

90分テープにバラバラな音楽が同居する時代

前回の話しを読み返していて、気づいたのだが、想えば「夕べのひととき」のエアチェックには90分テープを多用していた気がする。
当時のLPは大半が両面で45分以内。90分テープならばテープを裏返さないで、そのまま1枚が録音できる。
45分テープでエアチェックした場合、LPのA面が22.5分で終わらないというリスクもある。90分テープならばそこは安心だ。

ただ、都合よく同じ歌手のアルバムが2枚手に入ることはない。
従って、僕のカセット・ライブラリーには

A面「ホテルカリフォルニア」イーグルス
B面「イルカライブ」イルカ

のように、全くテイストが違うどころか、和洋バラバラの音楽が入ったものが散見された。
幼少より几帳面な性格だった僕は、そういうカセットの背見出しを見て忸怩たる想いだったが、今ならばとても懐かしく微笑むことができる。

1981年に「貸しレコード屋」ができるまでこの傾向は続いた。
レコードの10分の1の値段で、好きなレコードが借りられるようになってからは"同じアーティストのリリース順にアルバムを揃える"といった音源収集ができるようになり、カセットライブラリーは、几帳面な僕の納得いくものになっていった。


あらゆる世代間ギャップにおいて「○○登場前後」というものがある。
パソコン、インターネット、携帯電話、電子ゲーム、在宅勤務^^;)
大概の場合「登場前」を知っている世代は、登場の前・後を知る幸せを懐かしみ、登場前はどれだけ不便だったかを嘆いてみせ、それでいて、そこには幸せがあった。その幸せを君らはわからないだろう・・と独りごちて「登場後」の世代に嫌がられる。

「貸しレコード」の登場はラジカセファン、オーディオファンの暮らしを飛躍的に幸福化した。
今でも、ジョイフル西新店で検盤をして250円と引換に「Journey」の新譜レコードを持ち帰った幸せを想い、笑顔になれる。
(結局言ってるし)


「夕べのひととき」と並んで、僕のラジカセ生活に欠かせなかったのが「FMリクエストアワー」(以下「Fリク」)だ。
僕の一週間はこの番組を中心に回っていたと言っても過言ではない。

父の異動で僕は中3に上がる時、五島から佐世保に引っ越した。もちろんラジカセ「National RQ-552」を持って。
魚中(うおちゅう=魚目中学校)では全校生徒に部活加入(しかもすべて運動部)が求められており、バレーボール部に入っていた僕は、転校先の佐世保の中学では帰宅部に入った。
「バレー、入ればいいやん」と誘ってくれた友達に対しては、表向き「五島ん時もレギュラーになれんかったけん、佐世保のレベルには付いていけんよ」ということにしておいたが、土曜日の午後「Fリク」を録るためだったのだと想う。

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