読まれなくなったハガキ FMリクエストアワー
「◆さんはいつもハガキが読まれて羨ましいです」
他のリスナーのこんなコメントが紹介されたこともあった。
もちろん、僕は有頂天。足下を見つめて精進しますとは想っていない。
数年後、清岡教授退任の講義で
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
という言葉を教えてもらった時は「早く言ってよぉ」と松重豊になった。
上記の◆には僕が使っていたペンネームが入るのだが、恥ずかしいので伏せ字にしている。
大人になってから同年代の長崎県出身者と「Fリク」の話題になり、僕は◆というペンネームで投稿してましたと口にしたところ「え?◆さんですか?よく覚えていますよ!確か、毎週のようにハガキ読まれてましたよね」と言われた。やはり、嬉しかった。
「◆さんのハガキ、いつもスゴイですよねぇ」
とDJからお褒めの言葉をいただいてから数ヶ月のことだ
確かそれは春だった
年度が替わり、僕は学年が1つ上がった4月
その最初の土曜日、いつもの「Fリク」にダイヤルを合わせる
その日の3曲めあたりで、僕がリクエストを送っている曲がかかる
よし、来た!
DJがハガキのエピソードを読み上げる。つづいて名前だけの紹介がつづき「それでは**です」
曲に行ってしまった。
僕はキツネにつままれた。いや、もしかすると曲の後にもハガキを紹介するという趣向に変わったのかも知れない。年度替わりだし
しかし、その読みは外れて粛々と次の曲へ移る。
なにかの間違いだろう
郵便屋さんが届け損なったのかも知れないし
それとも、ハガキのクオリティが下がったことを見透かされたか
そういえば確かに、ちょっとやっつけ仕事で書き上げた1枚だったように思えてくる
しかし、次にリクエストした曲も、またその次も。
僕のハガキはスルーされた
他にもたくさんのハガキが届いているのだから"今日は◆さん1回お休み"ということなのかも知れない。
確かに、これまで、ちょっと読まれ過ぎ。読まれる率100%はできすぎ君だったのだ。
その日は、納得はいかないものの、なんとか自分を落ち着かせてエアチェックを終えた。
僕はそこで初めて、謙虚という言葉を身にしみて知った
だが、そのまま、僕のハガキが読まれることはなかった。
翌週も、翌月も、半年後も。
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