スタジオ1980からRQ-552へ目移りした理由
両親に買ってもらった初めての自分専用の家電品となったラジカセ「National RQ-552」(以下552)を僕は溺愛した。
スタジオ1980への愛を貫かず、552で手を打った理由は「5ウェイワイヤレスマシン」の存在にある。
前身の人気機種「RQ-448(MAC-FF)」~1973年発売~で登場した機構。
552~1975年発売~に搭載され、後継の「RQ-556(リモコンMAC)」~1976年発売~まで3台に搭載された。
(556では本体をリモコン操作できる機能が追加されて6ウェイ)
■5ウェイとは
内蔵コンデンサーマイク
FMトランスミッター
ワイヤレスマイク
ワイヤードマイク(ミニプラグコードで接続)
他の機器からのオンエア録音(これは謎)
筐体の右側面に開閉式のポケットがあり、そこにこのマシンが収まっている。本体に格納した状態では内臓マイク、FMトランスミッターとして稼動する。
「音を送信する」という偉業を達成したくて、ラジカセ本体の音をトランジスターラジオに飛ばして聴いたりしたが、何度かやっているうちに、ドキドキ感が薄れていることに気づいて止めた。
本体から取り出すとワイヤレスマイクとして使える。
小学生の頃、憧れたトランシーバー。
学年でも、お金持ちの家の子供しか手にできない、夢の通信機。ついに、買ってもらうことはなかったあの品と同じことが実現できる。
通信にはその相手が必要だ。
それにはシンちゃんを巻き込む必要がある。
2階にある僕の部屋からシンちゃんの部屋は50mほど。ワイヤレスで電波が届く。
僕はシンちゃんに、父から借り受けていたワイヤレスマイクを貸し渡した。
(シンちゃんのラジカセにはワイヤレスマイクは付いていない)
テレビは八時までと決められているので、僕は8時以降は二階の部屋で過ごす。
窓の外を見てシンちゃんの部屋に電気がついていると、僕は窓を開けリコーダーで[ド][シ][ラ][ソ]を奏でる。これが僕の合図。
シンちゃんからの合図は、ただリコーダーをぴーっと吹くだけ。こちらがお願いする側なので、相手のハードルは低くした。
その音に気づいて、シンちゃんも窓を開ける。
互いにラジオとワイヤレスマイクのスイッチを入れて交信する。
明日の宿題もうやった?
テレビに拓郎が出てたね
まぁ、そういう不要不急の話しだったと想う。それを証拠にまったく内容を思い出せない。
その日は電波の入りが悪く、僕は椅子に乗ってラジオのロッドアンテナをぐるぐる回して、シンちゃんからの電波を探していた
その時だ
頭に強い衝撃があり、火花が散った
僕は生涯で火花が散った経験を2度しているが、いずれもシンちゃん絡みである。
つづく
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