常駐ハケンの品格
「残業は仕事のとろい無能な社員がお給料を水増しするためにするものです。残業は意欲の表れではなく、職務怠慢の表れです」
テレビドラマ「ハケンの品格」で大前春子が、ついに本当のことを言ってしまった。
世間では本当のことを言うと干される。
社会や会社は本当のことでは動いていない。
「予定調和」で動いている。
本当のことを言うと予定調和が狂って都合の悪い人が多い。
一般的に階級と都合の悪さは比例している。
偉い人ほど「本当のこと」を言うと嫌がる。
不穏当!不適切!不規則発言だ!
そう言って、その発言とその人を根こそぎ抹消しようとする。
しかし、視聴率の高いドラマで本当のことを言ったくらいでは、篠原涼子は干されたりしない。
なぜならば「都合の悪い人」たちは皆「あれはドラマの世界だから」と相手にしないか、自分のことを言われたことに気づかないからだ。
仕事がとろくて残業を水増ししている人も「言えてる~」とか言いながら、他人事のように笑っている。
一方、ハケン社員は一生懸命頑張っている。
仕事がとろければ、ハケン元の会社に「契約更新しない」と通告されるし、頑張って認められると派遣先の社員に登用してもらえるかも知れない。
だから、基本的にハケン社員は真摯かつ礼儀正しい。
ところが、ハケンの中には「態度の悪い人」たちもいる。
それは「常駐」という名のハケン社員たち。
派遣を前提にした登録制のハケン会社から来た時給***円のハケンではない。
コンサル企業の正社員で、客先常駐でハケンされる人たちである。
SE、財務管理など専門性の高い業務では、優秀な人材は1人でも多く欲しい。だが優秀な人はひと握りだ。正社員で採用した人たちの7割は外れと言っていいだろう。
(正確に言うと、7割は外れに育ってしまう)
優秀な人材の歩留まりが悪いので、生え抜きで確保するにはコストが高く付く。
そこで、コンサル会社から常駐ハケンに来てもらう。
それは、2000年代に入った頃から日本に定着した。
そして、当初から「態度の悪い人」は散見された。
徐々に増えたのではなく、最初から居た。
時間の経過に伴い母数が増えていることを考えると、比率は減っているのかも知れない。
態度の悪い「常駐ハケン」はどのくらいの比率で居るのか?
ある会社の人は「ハケンなんだから、そんな人いる訳ないよ」と言うだろう。
ある会社では「3割くらいかな」と言うだろう。
「全員、態度悪いよ」と言う会社もあるかも知れない。
それは、その人が態度の悪い「常駐ハケン」なのではなく、そこが「常駐ハケン」から嘗められる会社だからである。
<後編>へ
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