常駐ハケンの品格<後編>
それでは「常駐ハケン」が、あなたの会社を舐めているかどうかを見極めるポイントを挙げていこう。
■仕事の品質
・納品されたエクセルを開くと「改ページプレビュー」になっている。あるいは、ページトップではなく、シートの端っこが選択された状態でファイルが保存されている。
クライアント(お金を払う側)に提出する成果物で、見る側に配慮できていないファイルを出してはいけない。「作ってやっている」「重箱の隅をつつくな」という横着な姿勢が、ここに現れる。
・文書中に「OKボタンを押下する」といった用語の誤りがある。「ユーザ」「ユーザー」のように、長音の有無が混在している。
-er,-or,-ar などで終わる英単語は日本語表記する場合ー(長音)をつけるのが望ましい。(1991年内閣告示)
しかし、論文のような公式文書を除き、そのルールは徹底されていないし強制力もない。
「ー」で伸ばさないと決めて、文書内を統一すればよいのだが、混在していたり「メモリ」のように拗音を省略したりする。恐らく「絶対に本を読むな」と躾けられたのだろう。
・レビューで的外れな資料を出してくる
要求した内容と方向からしてずれている。
的外れを指摘すると「ボク、何を言われているかわかりません」という目をして幽体離脱する。
「わかるように説明して欲しい」とさえ言い出す始末。
■勤務態度
・ハケン社員どうしで集まって大声で雑談する
事務所、廊下、エレベーターお構いなし
営業・制作と違い、一般管理部門のオフィスは大抵静かだ。
そこで延々と大声で話す。周りが静かならば、ミーティングスペースなどに場所を移すという配慮を思いつかない。
そして、仕事の話しならばまだしも「最近、息子がゲームを買ってくれとうるさくて」と米国の失敗エリートみたいな話しを始める。
しかも「スイッチで『どうもり』をやりたいらしくて」と雑談まで品質が低い(多分「あつもり」のことだと思う)
・スリッパに履き替え、辺り構わずスリッパで歩き回る
しかもぺたぺたうるさい。水虫なのはわかるが、ここは海辺のリゾートホテルではない。
■礼儀
・クライアント会社のエライ人以外には目もくれず挨拶しない。
打合せで意見が食い違うと「後であなたの上司に確認しますが」といって顔色を窺う。
・無断でWi-FiルーターやUSB機器を使う
通信とストレージは、大概のクライアント企業に利用制限の規定がある。
持ち込んだ機器は使う前に許可を得るのが現代の品格だ。
日本に「個人主義」が定着する前から、常駐ハケンが「ハケン元企業」仲間で固まって、常駐先との交流を拒む傾向はあった。それは良いほうにも悪いほうにも変わっていない。
ここで挙げた嘗めている「常駐ハケンの品格」が改善することはない。それはクライアント企業の社員が以下のように考えているからである。
・幼稚過ぎて、面と向かって指摘しづらい
・波風立てて機嫌を損ねると、仕事の品質を落とされる恐れがある
・常駐ハケンを育てる必要はない
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