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2020年9月23日 (水)

もしも、コロナが見えるメガネができたら

もしも、コロナが見えるメガネができたら

ヤマバシ電気の公式サイトに応募して13回めでやっと当たった
登場してすぐ政府により転売禁止商品に指定され、販売方法も密集を避けるためネット販売に限定されていた。

決して安くはない買い物だが、コロナが目で見えるというギミックへの興味は抑えられない。
「コロナメガネ」通称コロメガの発明により、世の中はコロナが見えている人と、コロナが見えていない人に分かれたわけだ。
今日から僕も「見える人」の側にはいる


登場から半年「見える人」の行動がメディアやYou Tuberによって拡散されている
企業では総務部が早朝、事務所を見回り、コロナが見つかると、その日は在宅勤務を指示するようになった。
興行をおこなうホール、アリーナでは係員が常時チェックして換気していることをアピールした。
外食する人たちは飲食店を外からのぞき込んで、コロナのない店を選んでいた。


メディアはコロメガを手にすることが、さも「勝ち組」であるかのように報じた。
ある程度の収入がある富裕層、国と地域。まるでコロメガに拠って人類が選別されるかのようなどぎつい表現に対して、ネット上では自称識者が「いかがなものか」と警鐘を鳴らした。


コロメガが届いた。
夜のうちに充電しておいて、翌朝、電車に乗って街に出てみる。
一見すると普通のメガネだが、見る人が見ればそれとわかる。
今のところ「エアマックス狩り」のような事件は日本では起きていなかった。

つり革につかまったところで、満を持して右耳のそばにある「可視化モードスイッチ」をオンにすると、早速コロナの粉塵が黄色く映った。
「わっ」
思わず声が出そうになるのを押し殺して、そこから5mほど右に移動すると、その右側からも黄砂のような空気の層が流れてきた。思わず息を止める。これは耐えられない「N95マスク」が必要だ。

次の駅で電車を降りて一息つくことにする
駅前には小さな公園があるのどかな町
保育園に通う前の子供がボールを投げて遊ぶのを、ベビーカーを揺らしながら母親が見守っている。子供はマスクをつけていない
すると、駅のほうから風に乗って黄色いコロナが家族を襲う
「あぶない!」
声をかけようとして思いとどまる
コロナが見えていない母親を混乱させてしまうだろう。
僕が母親の立場ならば「それは、ご親切に」と恩を感じるよりは「よけいなことを教えないで。知っていてもどうにもできないんだから」と思う


目の前にいる人の末路を透視しているような気分だ。わかっていても教えてあげられない。心に憂鬱な雪が積もる
街へ出るのはやめて家に引き返した

玄関を空けると、家の中が真っ黄色だった
スイッチを切り忘れていた

(一応言いますがフィクションです)

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