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2020年9月22日 (火)

平穏とは

2020年8月28日、安倍晋三首相の辞任表明を受けてから一両日、誰がどのようなことを言うかを追いかけた。
【1】想像通りというものもあれば【2】意外な印象を受けたものもある。
ここではそれをいくつか載せてみたい。

【1】想像通り
■橋下徹
「(会見の報道各社質問で)お疲れ様でしたと1人の記者しか言わないが、あんなものなんですか(メディアは)厳しく言うところは厳しく言えばいい。7年何ヶ月総理されて病気でこうなっていたというところに関しては お疲れ様でしたと言ってもいい」
辞任会見直後 CX「Live News it!」出演

「まずはお疲れ様」だけでよいのではないか。非難したい人も、とりあえず苦労を労うのが日本人らしさではないか。同種の発言は他には見つからなかった。


【2】意外な印象
■拉致被害者家族 Aさん
「安倍首相は拉致問題を重要課題に挙げていた分、失望は大きい。何もかも中途半端のまま、また投げ出すのか。安倍首相で結果が出なかったので、政治にはもう期待できない気がしている」
8/28 毎日新聞WEB版

安倍首相が最初に辞任した時は組閣直後というタイミングだったこと。何より「病気であるという本当の理由を伏せていたこと」で投げ出したと言われた。それは言われても仕方の無いことだった。ちなみに続いて総理になった人もあっさり投げ出したが、その後、表舞台に立っていないので大半の人は忘れて居ると思う。
ただ、今回は前回・今回と健康面が辞任理由であると明らかにしているのに「また投げ出す」と言う表現はきつい。インタビュアーに誘導されたのだろうか。

拉致問題については小泉首相が風穴を開けて、安倍首相も尽力した。それなのに一番非難されたのはこの2人。おかしいと思う。

何もしなかった人は非難されず、何かをやった人は非難される

何かを為した人は責めやすい。目の前に具体的な「ツッコミ処満載」だからだ。何もしていない人はツッコミ処がない。だから非難されない。
(非難している人がいてもメディアは取り上げない)

それを経験で知っている人は、何もしない
政治家だけではない。公務員もサラリーマンもそうだ
取り組む過程で非難されそうだから、やった方がいいと思っているけれど、やらないでおこう
そう考えている人は少なくない。
そういう風潮を助長するのが、こういう「ツッコミ処」だけに反応し、出た杭を打つばかりで為すこと・為そうとすることを認めない人たちだ。


【2】意外な印象
■立憲民主党 枝野代表
「こうした理由でおやめになることは大変残念であろうと思う」
辞任会見当日NHKニュース7

NHKがどう編集したかがわからないので、コメント全体はわからないが、放送された短いコメントを聴く限り「場を見た」発言である。それでは、どのようなコメントが想像どおりかというのが次のもの。

【1】想像通り
■立憲民主党 石垣のりこ参院議員
「総理といえども「働く人」。健康を理由とした辞職は当然の権利。回復をお祈り致します。 が、「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」を総理総裁に担ぎ続けてきた自民党の「選任責任」は厳しく問われるべきです。その責任を問い政治空白を生じさせないためにも早期の国会開会を求めます」

「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」が不適切として枝野代表に注意を受けて、その日のうちに以下のtweetをあげた。

「確かにこの箇所の表現に、疾病やそのリスクを抱え仕事をする人々に対する配慮が足りなかったと反省しお詫びします」

目の前で起きていることにリアクションしたい気持ちは誰にもある。耳を傾けてくれる人がいれば、思いついたままを自分の外へ出してしまう人もいる。誰もなにも聞いてくれないということを平穏と呼ぶ。

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