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2020年9月 5日 (土)

オーディオ山内とTechnics SL-2000

愛機「RQ-552」を破壊した僕は徐々に「ラジカセ」から「オーディオ」へと軸足を移していく。

転機はSONYの家具調ステレオのレコードプレーヤー(以後プレーヤー)が壊れたことだ。
ある日、レコードを乗せてスイッチを入れると、ターンテーブルが回らなくなっていた。恐らくドライブベルトが切れたか外れたのだろう。

昔のプレーヤーはモーターとターンテーブルをベルトで結んで回転させていた。そしてその頃、ターンテーブルの直下にモーターを置きベルトを介さずに回転させるプレーヤーが登場していた。
前者が「ベルトドライブ」後者が「ダイレクトドライブ」という。

ベルトのせいでレコードが聴けなくなった僕は「ダイレクトドライブ」という合理的な仕組みの信者になったが、その新しいプレーヤーは、こずかい2,500円/月の高校生には手が出ない価格帯だった。

ちょうど、その頃、下京町のバス停そばに「オーディオ山内」という店がオープンした。
それまで、佐世保でオーディオといえば「ベスト電器の2階」いつも、買いもしないのに訪れては「これがエルカセットかぁ」と涎を垂らしていた。
四ケ町には千日音機もあったのだが、オーディオという格調の高い世界観に乏しかったのだと思う。
そこにできたのが山内。こぢんまりした店だったが「専門店」らしい佇まいと、上品な店主に惹かれて、やはり買いもしないのに通っているうちに「ここで何か買いたい」と思うようになった。

そして、ちょうどその頃、初めて3万円を切ったダイレクトドライブ機が発売された。

Technics(National)
SL-2000
29,800円
1977年発売

アーム、カートリッジまでオールブラックの筐体
今、見ても非の打ち所がなくクールな外観
カートリッジのバランス、内側へ滑る力の調節は手動。
オレンジのストロボライトをターンテーブルに照射して回転を目視。手動でピッチを調節する。

家のプレーヤーが壊れた代わりだから、親にねだってもよかったのだが、僕はこれを自分のお金で買いたいと思った。
「今日から僕もオーディオ界の一員です」と名乗りたい。そのための入会金は自腹を切る必要がある。
他人の懐を当てにしてきた子供時代から、大人への旅立ちだった。

その心意気に感銘した?店主は確か3,000円くらいまけてくれたと思う。
このプレーヤーは高校を卒業するまでは家具調ステレオに接続して使い、大学で福岡に行く時は下宿に持っていった。
そして、オーディオファン時代が終わるまで、僕にとって最初で最後のプレーヤーだった。

このプレーヤーのターンテーブルで佐野元春と出会い、レコードがCDに移りかわるまで幾多の音楽を僕に響かせてくれた。



46年の時を超えて、憧れのスタジオ1980を手に入れた

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