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2020年9月17日 (木)

おじさんがくれたTEACのカセットデッキ A-630

それは、佐世保に引っ越してきて2度めの正月だったと思う。
かつて、遠くに住んでいる時は年に1度の訪問が楽しみだった佐世保のイチロウおじさん。今はクルマで30分ほどの所に住んでいるのだが、やはり、訪問は年に1度だった。
子供の頃、親戚を訪ねるのが三度の飯より好きだった僕は、この現実に忸怩たる思いがあった。
おじさん宅の床の間には立派なオーディオセットが並んでいて、僕はそれを見るのが楽しみだった。

その日、おじさんのオーディオセットには新たにカセットデッキが加わっていた。
当時、音楽を聴く媒体の主役はカセットテープであり、カセットデッキはコンポの中核。いずれ自分で買う時、ハズレのないモノを買おうと日夜、ベスト電器店頭と「週刊FM」で研究に余念がなかった僕は、目が釘付けになった。

僕の選択基準はこうだ。まずはカタログスペック。

■ドルビーNR
ドルビー・ラボラトリーが開発した雑音低減機能。オーディオコンポのカセットデッキに搭載されており、ラジカセでの搭載は珍しかった。東芝には独自のADRES(アドレス)という仕組みがあった。

■フェザータッチ
電子的に制御されていて軽く触れるボタンをいう。ラジカセは物理的にしっかり押しこむボタン。フェザータッチはステレオラジカセが世の中に定着してから登場した。

■ピークメーター
瞬間のピーク(最大音量)を表示するメーター。
録音ボリュームを手動で設定する際、音が歪まないよう、逆に小さすぎないよう絶妙な地点を探すために有効なメーター。
デジタルメーターが登場すると、ピークのコマを1秒程残してくれる「ピークホールド」によりピークが確認しやすくなった。

カタログ以外では、やはりルックス。
カセットは左側、メーターは大きめな横長四角の2連。
子供の頃から家にはSONYしかなく、SONYに強いシンパシーを抱いていたのでSONYを軸として候補を募っていた。

さて、イチロウおじさんのデッキにはTEACとあった。
てぃーく?
週刊FMで見たことはあったが、それをなんと読むのかはわからない。
穴が空くほどガン見していると、おじさんが
「てぃあっくのあたらしかとばい」と教えてくれた。
いくらなの?と尋ねると119,800円だという。

たかっ!
という言い方は当時なかったので「たかかぁ」と僕は言った。
僕が選ぶとすれば、ヨンキュッパ(49,800円)が限度かなと思っていたので、そこで関心を打ち切ることにした^^)

それから一年後、僕の進学先が決まった翌日。
おじさんから一本の電話がかかってきた。
「デッキば、お祝いにやるけん、取りにこんね」
僕はわんわんわん、と電話口で尻尾を振った^^;)

おじさんが譲ってくれた"お古"は TEACのA-630
型番も記憶していなかったので、令和の今しらべると次のことがわかった。

A-630
価格:99,800円
1975年発売
ドルビーNR、プッシュボタン、ピークボタン
高価な機種だけに、僕の選択基準はすべてクリア。
他の機種とは一線を画す縦長の威風堂々とした筐体。
これが大学から社会人にかけて、僕の音楽生活を支える相棒となった。

プッシュボタンは夜中に操作すると、となりの住人が怒鳴り込んでくるんじゃないかと思うほど「がちゃーん」と大きな音が反響した。
電子的に操作しているのだが「中身は機械でやっています」という音だ。
晩年はプッシュボタンが反応しなくなり、次なるデッキにバトンタッチしたが、後継機の型番はやはり記憶がない。



46年の時を超えて、憧れのスタジオ1980を手に入れた

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