2009年、元春レディオショーをパソコンで毎週録音したかった
「元春レディオショー」は佐野元春がDJを担当するラジオ番組。
始まりは1981年4月
NHK「サウンドストリート」月曜日DJを担当した。
これが「第一次」元春レディオショー
第1回と第2回はスタジオライブ。
観客は入れていない。
今聴くとこっちがひっくり返りそうな、高くて若い声の元春が、目の前には観客が居ないというのに、がんがんに飛ばしている
この時「元春レイディオ・ショー」は番組の副題。
新聞のラジオ欄は「サウンドストリート」
番組の節目節目に「元春レディオショー」と歌うジングルが流れていた
1983年4月
元春は新たな創作環境を求めてNEW YORKへ
およそ1年間、NY移住した際も番組はつづく
インターネットが普及した現代ならば「そんなの当たり前」と思うかも知れない。
令和の現代ならば、素人の僕らでもNYと日本を結んで生出演といった芸当ができてしまう。
しかし、インターネットが本格的に人々の暮らしに入り始めたのは1997年以降のこと。
当時はとてもアナログな手法で番組継続作業は行われた。
まず、元春が彼の住むアパートの部屋でデンスケ?あるいはラジカセ?に向かって声を吹き込む。
媒体はオープンリールなのか、カセットなのかは不明だ。
現代ならば、その音源をメールに添付して送ることだってできるが、当時はエアメール。つまり国際郵便。
NHKの番組スタッフは、その青と赤の斜線で縁取りした封筒が「無事届きますように」と神田明神にお参りしたかも知れない。
当時の模様は佐野元春公式ウェブサイト「Moto's Web Server」に紹介されている
1987年3月
サウンドストリート放送終了
最後は元春がリスナーと電話をつないでの対談
その頃、僕はラジオから離れていて、放送が終わったことすら当時は知らず、1992年以降にパソコン通信「NIFTY-Serve」を通して出会った「元春HP」の仲間が、エアチェックテープをダビングして送ってくれた。
このカセットも確か捨てずに残している
2009年3月31日
元春がラジオに復帰する
番組の正式名称は「元春レイディオ・ショー」
NHK FM 毎週火曜23:00-24:00
今度は聴き逃したくない!
そう思った僕には「Google先生」という強い味方ができていて、朗報をもたらしてくれた。
2008年に番組予約録音ができる、パソコンに接続して聴くラジオが発売されていたのだ。
今ならば「ラジコ」で「聞き逃し再生」すれば済むことだが、当時はパソコンでラジオを録音できるなんて夢のようだった。
Radio Mate USB AM/FMラジオチューナー NV-UR001
■当時価格:6,052円
■番組予約:時刻指定して録音できる
「毎週火曜 23:00~24:00 NHKFM 」といった予約ができた
■音声形式はMP3/WMA/WAVで音楽プレーヤーに転送することもできる
僕らはこうした魔法の機械の情報を「元春HP」で情報交換した。
結論からいうと、僕の部屋では受信がうまくいかず、実用には到らなかった。まだラジオは本当に宙を飛んできていたのだ。
2009年の第1回放送は生で聴いた。
28年前と比べてぐっと低い声になった
誰も椅子から転げ落ちない、脳天からではない、飛ばさない元春の声が流れてきた。
この放送は2014年まで5年にわたって続くのだが、手元には何も残っていない。もうカセットに録音する機械も家には無かったのだ。
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