箱根駅伝ゴールテープの目を見張る動き
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「ネコちゃん楽な姿勢でね、動かないでじっとして!はい地面から97cm」
ネコちゃんが跪(ひざまづ)いて目の高さで拝むように手を合わせる。
それをハコちゃんが巻き尺で測る。
「じゃ、今度はハコちゃん」
選手交代して、ハコちゃんが跪き、目の高さで手を合わせる。
「92cmかぁ。もうちょっと背筋伸ばしてみて」
それでもまだ足りない。
「ちょっと目の高さから2cm上げて。はいそこが97cmね。その姿勢覚えて!」
こうして2人は、オーディションの日、ぴったり「97cm」の数値をたたき出すことに成功する。
スポーツボランティア最終打合せの日。
審査に当たった公益財団法人日本陸連競技連盟(陸連)の担当者が発表する。
それでは発表します。
ゴールテープの担当は、A大学のハコさんとネコさんにお願いします。
これは、第97回ハコネ駅伝当日、大手町のゴール地点でゴールテープを持つ係りの選考の模様。
ゴール地点のスポーツボランティアは本戦に出場しないチームの女子マネージャーで構成する。
ゴールテープは各チームのゴールシーンを彩る重要な備品。
大会名とスポンサーの名前が入っており、水平を保ちぴーんと張ることが求められる。そのために、無理のない姿勢でテープを目の高さにかざした高さが最も近い2人組が選ばれた。
また、事前に行われた体力テストに基づき、ハコさんは右側で固定する係。俊敏性で勝ったネコさんが左側でテープを拾って張る係に任じられた。
後続との間隔が狭い場合でも、極力、テープを拾って張ることが求められる。そこで撮影される写真は長くそのチームと選手たちにとっての記念碑となるし、スポンサー名がそこに映り込むからだ。
ただし、関東学生連合チームに後続が迫っているような場合、テープを拾わず、後続のチームにゴールテープを切らせる。
そういった臨機応変な対応が求められた・・
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ゴールシーンを見ていて、そんな裏舞台を妄想した。
それほど、ゴールテープはピンと真横に張られ、担当した2人の動きは見事だった。
念のために「箱根駅伝 ゴールテープ係はどうやって決める?」で「Google先生」に尋ねてみたが、先生は正月休みのようだった。
勝って奢らず、負けて腐らず
スポーツマンたちの人生はこのゴールから始まっていく。
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