去年までとは異なるV・ファーレン長崎の情報統制
ここ数年のV・ファーレン長崎を追いかけている方ならば、気づいているかも知れない。
僕の場合、2018年以来4年めのシーズンとなるが、過去3年とは明らかに違うことがある。
シーズンが始まって1か月が過ぎた頃、最初に違和感を感じた。
そして、現在もその謎は解けていない。
その違和感は取材記事を通して得られる選手のコメントに起因する。
以下に、特に印象に残っている4つのコメントを引用する。
■琉球戦後取材
鍬先祐弥
「今日のゲームは、ベンチで見ていたときから元気がないなと感じていて、ピッチに入ったときも同じ感覚があって、点を取りに行くという迫力がチームとして足りなかったと思います」
■大宮戦前取材
加藤大
「タカさんの求める5秒ルールや、切り替えのところ、11人がしっかりとした位置に立つことでボールも回ると思うので、そこをやっていきたい」
■群馬戦前取材
大竹洋平
「少し前までは監督の指示待ちみたいな感じがあったんですが、今はゲームの中で自分たちからこうしようとか話せるようになってきた」
(以上3つは有料購読情報「ViSta長崎サッカーマガジン」より)
■東京ヴェルディ戦後取材
毎熊晟矢
終盤のポジションチェンジについて
「(監督から)特に指示はなかったが、自分たちで考えてやらなければならない」旨のコメントが長崎新聞に掲載されている。
これらのコメントに接した感想は2つに分かれる。
【1】「チームの戦術・内情をメディアに喋っていいのか」
【2】「チームメイトから"なにを言っているんだ?"と想われないだろうか」
【1】
加藤大は「5秒ルール」を口にしたあと、長崎新聞から「それは何か?」とつっこまれて「あまり言えない」と返している。
思わず、言えないんだったら言うなよ^^;)とつっこんでしまった。
「試合中の指示がない」ことについては、複数の選手が言及している。
スポーツ選手に限らず、サラリーマンを含めたあらゆるプロにとって「指示待ち」はつまらない。
もちろん、すべての人が自ら考え、組み立てて動けはしない。指示を受けないと動けない人もいる。ただ、前者のほうが格段に役割を楽しめるし、仕組みを残していく。
J1を目指そうというプロチームならば、試合中に事細かな指示がなくても動ける人たちであって欲しい。
「おや?」と想うことがあったら、それを「よし、任せろ!」と楽しめる人であって欲しい。
「試合中に指示がない」のはテグさんの時代にも言われていた。
「選手任せ」は決してNegativeな言葉ではない。
また、伝える側は、選手が率直に述べたことを「チーム内がぎくしゃくしている」という論調に導くのはやめて欲しい。
【2】
鍬先祐弥が「ベンチで見ていたときから元気がない」と言った時はたまげた。そんなことを言って大丈夫なのかと。
ただ、見方を変えれば、新人が率直な感想をメディアに喋っても、それを疎ましく想うようなレベルの人がいない。何を言っても「チームを想うゆえの発言だ」と、ありのままに受け止められる風土がある。風通しの良い組織なのだともとれる。
去年までとは異なる趣向の発言が表に出るということは、情報統制についての考え方が変わったのだろう。
僕はチームに帯同する記者ではないので、本当のところはわからない。
それが、シーズン中に語られることはないだろう。
情報発信の考え方は、チームの方針かも知れないし、各自の解釈かも知れない。
V・ファーレン長崎は風通しのよい大人のクラブであると信じているから、安心して応援を続けている。
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