カセットボンベを買ったら「7年経つ前に、ベランダで肉でも焼け!」
ガス抜きのためにとった有給休暇
お昼の炊事時が来る前に、ガス抜きにとりかかる。
集合住宅の構造上、ベランダ側には台所はないので、火気があるとすれば「蛍族」
トラブルの原因にもなっている、マンションのベランダでタバコを吸う人たちだ。
ただ知る限り、隣戸で喫煙する人は居ない。
カセットボンベを持ってベランダに出て、サッシを締める。
目と耳と鼻、視聴嗅覚を使って周囲に人気と火気がない状況を察する。
赤いキャップをとり、先端を下向きにして、床面のコンクリートにノズルを押し付ける。
シューっと音がしてガスが放出される
ガス臭い・・・
思わず、力をゆるめると、噴出が止まる
思わず、あたりの気配をうかがう
これは、けっこうヤバイやつじゃん
後で考えると、これが岩谷が言う"タマネギが腐ったような臭い"だったのだろう。
再び、意を決して、ノズルを床に押しつける。
これがけっこう力が要る。
缶の角度は真下からやや、斜めに寝かせたところが、もっともガスが出るとわかった。
初めは、安全を期して?少しずつ出せばいいと思っていたが、未使用だったガスが空っぽになるまでには、それなりの時間がかかる。
要領を得た2缶めで、時間を計ったところ、ひと通りガスが出るまでに7分かかった。
7分間、できるだけ息をしないようにしながら、全力でガスボンベを床に押さえつけるのは、相当な体力が必要だし、相手がガスなだけに度胸も要る。
これを読んで「ぜひやってみたい」と思う人は、そう多くないと思う。
そういう方に薦めたいのは・・というか、次にカセットボンベを買った自分に言いたいのは「7年経つ前に、ベランダで肉でも焼け」ということだ。
もう、そろそろいいかなと思って、缶を振ってみると「シンシン」とガスが揺れている。
しばらく噴霧を続けた後のスプレー缶がそうであるように、缶がキンキンに冷えている。
キンキンが喜ばれるのは、夏場の生ビールと、汗かきの人にとっての過剰な冷房と相場は決まっている。
こういう時、缶はいったん暖めてからでないと、中身が出ないものだ。
しかし、ガスボンベを暖めるのは気が進まない。
結局「ガス抜き」のための有給休暇は3本ガスボンベを、まぁまぁいいところまでガス抜きしたところで終えた。
まだ、これでは「資源ゴミ」に出せない。
数日後、わずかに残ったガスを抜き終えて、透明のビニル袋に入れる。
自治体の求めはここまでだが、念のために太マジックで「ガス抜き済みです」と書いた紙を入れた。
資源ゴミの日、祈るような気持ちで送り出した三本のカセットは、無事回収されて旅立っていた。
→在宅避難
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