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2021年5月20日 (木)

CWC2006決勝 バルサ-インテルナシオナル 引いて守っていると思っていたのは「ゾーンディフェンス」だった

松田さんの著書「詳しいことはわかりませんが、サッカーの守り方を教えてください」(以下「守り方教えて」)を読み終えた。
サッカーの戦術について書かれた本を読むことは滅多にない。サッカー雑誌や購読している「ViSta長崎サッカーマガジン」に載っている記事を読むことはあっても、書籍で体系的に読む機会はほとんどなかった。
今般「この本はわかりやすいよ」というV長崎サポ仲間情報があり、新監督の手はずを学ぶのも一興と考えて手に取ったのだが、これが、僕にはぴたりとはまった。
サッカーを部活でやったことはないが、4-4-2ゾーンならば、今からでもやってみたいとさえ思う。

本が終わりに近づき、左親指の微調整を始めたところに、とても感銘を受ける記述があった。
(以下引用)
あれはトヨタカップの試合だったかな。インテルナシオナルというブラジルのチームがゾーンで守っていたんですよ。(中略)ボールホルダーやワイドの選手に対して駆け引きをする個人戦術が本当にパーフェクトだった。
(引用おわり)

松田さんがトヨタカップというのは、FIFA CWC(クラブワールドカップ)のこと。トヨタカップからレギュレーションを変更して、CWCとしては2年めの2006年12月、日本開催。決勝は欧州CLを制したFCバルセロナと南米リベルタドーレス杯を制したインテルナシオナルの対戦となった。この大会は日テレが明石家さんまや上戸彩らを起用して、これでもかというほど電波に乗せていたので、サッカーファンならば、記憶のある方も多いと思う。
日テレの扱いは「10人のロナウジーニョと10人のデコが対戦したらどっちが勝つか」など、FCバルセロナ一辺倒。
インテル側の戦術については、全くと言っていいほど、語られていなかったと記憶している。
デコファンクラブ会長である僕は、仲間のデコファンと共に、大枚3万円をはたいて、日産スタジアムのバックスタンドに乗り込んでいた。
そして当然のように、FCバルセロナの勝利を確信していた。

試合は終始、FCバルセロナがボールを持つのだが、決定的シーンが作れない。
僕らはそれを「相手が引いて守っている」「カウンター狙いのリアクションサッカー」だと思っていた(今日までそう思っていた)
それでも、フランク・ライカールト監督はベンチから「下がるな」「もっとラインを上げろ」と指示を送る。
DFのプジョルはベンチのライカに向かって「そんな殺生なぁ」という泣きを入れているが、ライカは耳を貸さない。
そして、後半37分、バルサDFラインの裏に入れられた浮き球をアドリアーノに決められて失点してしまう。インテルがゴールに迫ったのは、この時ただ1度だった。
試合終了間際には、ペナルティエリアのすぐ前でバルサがFKを獲得。蹴るのはロナウジーニョ。その年のCLで見せた「1人フェイントFKゴール」の再現を、僕らは(本当に)神に祈ったが、ボールは枠を超えた。

今思えば、試合前、最後の練習でデコの表情が暗かったのを覚えている。
等々力陸上競技場で行った非公開練習の出待ちをしていた時、バスに乗り込むデコが、何かにひどく怒っているような険しい表情だったのだ。
その時は、僕がイムノを唄っているのが気に障ったのかと思っていた。ブラジル人のデコは、インテルへの警戒心が募り、チームの緩みのようなものに神経を尖らせていたのかも知れない。


私の記憶が確かならば・・翌日のスポーツ紙に、イビチャ・オシムがこのような主旨の手記を寄せていた。
「一方のチームはサッカーを生業と捉えていた。一方のチームは見世物だと思っていた。価値観の違いだ」

あれから15年の時を超え、あの日、インテルがゾーンで守っていたことを、松田さんの著書で知る。
そして今、愛するV・ファーレン長崎を率いる松田さんが、チームにその戦術を染みこませる途上にある。
僕らは曲がり角の先によきものが待っていると信じて、V・ファーレン長崎と共に歩んでいく。

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