五輪前 辛くて長い3か月
2020年3月24日
東京五輪2020の1年延期が決まる
「8万人」のField Castには、1年後、オファーして受諾した役割の保証が通知された。
そして、迎えた2021年4月
Field Castに「日時」「役割」のシフトが届く。
仕事をしている場合、ここから有給休暇の調整に入る。
調整がついた日程について受諾していく。
役割のオファーから待つこと1年。
カレンダーに予定が入ると、ようやく、活動が具体性を帯びてきた。
本来ならば、ここから3か月は、本番に向けてムードが高まっていく時期。
しかし、現実にはそうはいかなかった。
野党は五輪に反対
一部の大手新聞も五輪に反対
テレビは反対の声をしっかり伝える
版元は反対の声をしっかり伝える
そして、これら政党やメディアの旗色を見ながら、自らが多数派をとれる、今風に言えば「マウントが取れる」とみるや、一気呵成に切り込んでくるのが「ネットメディア」と「SNS」
本来ならば、五輪開催となれば「賛成派」と「反対派」がしのぎを削って論戦を展開するものだと思うのだが、コロナ禍においては「生命」という錦の御旗を背負っている方が圧倒的に優位だ。
ほぼ、一方的に「反対派」の論陣がメディアとネットを席巻した。
「賛成派」にしてみれば、言われっぱなし。
一部の政治家、著名人が「スポーツの力」を訴えたが、野党や評論家が「お花畑か」と鼻で笑う映像がテレビで放送されていた。
そうしたなか、アスリートに対して「あなたが五輪を辞退して欲しい」と直言する者が現れる。
この流れは、いざ五輪が始まると、メダルを逃したアスリートへの中傷にカタチを変えた。
SNSによってスター選手とカンタンにつながれる時代を逆手にとった行動である。
さすがに、アスリートに対する中傷は行きすぎだろうという世論が出た頃、忘れられない出来事が起きた。アスリートから「五輪反対」が唱えられたのだ。
2021年5月10日
「死人が出てまでも行われることではない」と語ったのは錦織圭。
同じインタビューでは「アスリートのことを考えれば、できた方がいい」とも言っているが、それよりもアスリート自らが「死人」と「五輪」を紐付けてコメントしたことに言葉を失った。
日頃、スポーツを支える立場として、悲しかった。
錦織圭には、その発言がアスリート、長い間準備してきた組織委とボランティアを傷つけるという認識はなかったのか。
7月、錦織圭は五輪テニスに出場した。
五輪をディスる発言は、日常でも起きた。
僕が五輪ボランティアに備えてきたことを知るサトウさんからは
「やばいですよ」「ムリでしょう」「やっちゃいけない」
と(オンライン呑み会で)顔を合わせる度に直言された。
以前「五輪活動はmotoさんの大きな財産になりますね」と言っていた仲野君からは「やる意味がわからない」と言われた。
僕はバッハ会長でもなければ、菅義偉首相でもない。
僕に言ってもなにも変わらないのだが・・
五輪が始まるとサトウさんからメールが届いた。
「活動大変ですね。僕は毎日テレビで見ています」
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