お役に立つためにする、楽しい残業
お昼は初めて定食メニューを選択。「ハンバーグ定食」と言われて、それを体験したいという衝動は押さえられない。
割と美味しかった。今風にいえば、ふつーに美味しかったというところだ。
この日は本来16時終了のシフトだったが、予め事務局にお願いして、2時間繰り上げてもらっていた。
1000人に近いボランティアのシフトを回すこと自体、気の遠くなる仕事だが、そのうえ、こうした細かい変更にも対応してくださって、本当に事務局の皆さんには足を向けて寝られないと想っていた。
面談員の活動を通じて、オリパラ組織委員会の皆さんが、どれだけ激務かを見ている。
僕のようにスポーツボランティアが趣味で好きで来ているのとは訳が違う。
仕事として責任を負っている。だからこそ、世間の五輪への冷たさは世知辛かった。
14時で午前シフトがお役御免となるのと入れ替えに、午後シフトのFCがやってきた。
ドアを開けて、恐る恐る入ってくる面々。
(いきなりハイテンションだったら、それも気持ち悪いが)
当たりの様子を窺う人、感情を表に出さないよう何かのスイッチをオフにしている人・・
この時、僕らFCは今日はどんな場所で、どんな仲間と活動するのだろうと考えている。
日常生活で、これほど初対面の人と見知らぬ環境に放り込まれることはない。
この瞬間の、なんとも言えない、よそよそしさが後になれば懐かしい。
この時以来、初対面のFCに、レジセンに入るのは何度めですか?>この棟は何度めですか?というのが定番の質問になった。
聞けば、全員がレジセンは初めてだという。
出過ぎた真似はよくないが、ここは、お役に立てる場面だと思い、少し残って午後の方の研修をしましょうか?と佐野さんにお伺いを立てると
「いいんですか!?よろしかったら、お願いします」
佐野さんの目は輝いているように見えた。言葉に忖度はなかった。
リクエスト入力システムの使い方、レジセンサマリー、そしてポケトーク講座。
ある人はニコニコと笑顔で、ある人は目を輝かせて、ある人は真剣にメモを取って聞いてくれた。もちろん、ノリが悪い人が居ないわけではないが、人にはいろいろな考え方がある。
1時間残業の帰り際、職員の青木さんが「先生、ありがとうございました」と声を掛けてくれた。彼とはこれから2か月間、親しくお付き合いさせていただくことになる。
僕には、この言葉も大きな宝物になった。
残業したお蔭で、頃あいよく退村。勝どき駅のコインロッカーで荷物をとってトイレで着替えると、LOVE PSYCHEDELICO 20周年記念公演が行われるLINE CUBE SHIBUYAへ。
早朝から選手村で働き、夜はライブ。コロナ禍でstay homeつづきの体には、けっこうな強行軍。
ライブの途中で居眠りしないよう、会場そばでアイスコーヒー。1年半ぶりに入る喫茶店は、人影もまばら。
マスクをずらして、コーヒーをすするのに、なかなか慣れなかった。
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