人気ものになった仲間
その出会いは衝撃的だった
この日のシフトは「受付②」で、数カ所あるレジセンの何処かに入る。
Field Castは皆、集合場所に集まり、そこに、レジセンの職員さんが迎えに来て、その日の行き先が決まる。
誰が迎えに来るかは日時によって異なり、その役割を僕は勝手に「お迎え」と呼んでいた。
Field Castがその日、どの棟に行くかは、予め決まっているのではなく、たいていは「英会話に自信があるか」「レジセンが初めてか」「(行きたい棟の)希望があるか」といったやりとりが行われ、スキル、経験、希望によって決まる。
「お迎え」に来る職員さんは、たいてい2人
今日は既に顔なじみになった佐野さんと銀座さん
さぁどうしようか・・と出席簿から目を上げた銀座さんと目が合う。僕は特に意味もなくにっこり笑う
「じゃ、motoさんはうちで」
すると佐野さんが慌てて「ダメですよ。うちがキープです」とやり返す
後にお約束になる、2人による争奪戦
僕はそれを見ながら大げさに笑う。照れ笑いだ。
冗談とはいえ、自分を巡って誰かが争うなんて、こんなの見たことない。
僕は最初に研修を任せてくれた佐野さんが居るB棟に入り、リーダー役を任された。
朝の時間帯は選手団からのリクエストはまばら。
手が空いている時間を初期研修に充てる。
それは、会議室で「レジセンサマリー」の説明を終えて、レジセンに戻り、カウンター周りの仕事について説明しようとした時だった。
「誰も迎えに来ないとはどういうことだ」
背後から怒声が響いた
驚いてふり返ると、一人のField Cast。
集合時間どおりに集合場所に来たら、誰も迎えに来ていなかったという。
その矛先は研修の講師をしている僕に向いていた。
さぁ、どうしたものかと考えていると、声を聞きつけた佐野さんがバックヤードから飛び出してきた。
「この方も、あなたと同じボランティアさんです」
どんな手違いがあったのかは置いた佐野さんが詫びて、その方はそのまま同じシフトに入り、僕の説明を静かに聞いた後でこう言った。
「motoさんの説明はわかりやすい。滑舌もいいし」
後に彼は多くのField Castから慕われる人気者となった。
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