スーパーカップとコスタの村伝説
選手村食堂の体験は、僕にとってはコロナ禍以降、初めての「外食」でもあった。
ここでは誰もが「黙食」
食事をとりおえると、先に終わった方が「アイス行って来ます」と席を立つ。
食事のお楽しみ「スーパーカップ」を取りに行くのだ。
冷蔵庫にはスーパーカップバニラのミニサイズとソーダアイス(棒キャンデー)が冷やしてあり、1人1個もらえる。
時々、一時的にスーパーカップが品切れしていることがあり「なかった・・」としょんぼりして戻っ来るのだった。
明治エッセルスーパーカップは、お手頃価格で、たくさん食べられて、美味しい。三拍子揃ったアイスの定番。
明治は東京2020のゴールドパートナーで、選手村には乳製品を納入している。
商品名にある「エッセル」は Excellent+Essential を組み合わせた造語
■スーパーカップの歴史
1994年
明治エッセルスーパーカップ超バニラ 発売
2008年
累計販売20億個突破
2016年
明治エッセルスーパーカップSweet's 発売
選手村でお昼にスーパーカップを食べるようになってからは、夜のアイスでも「買い置きアイス」の定番になった。
夜食ならば、しっかりとフルサイズで食べたいところだが「お昼アイス」の習慣はないので、お昼にはミニカップがちょうどよい。
食堂で1人1本ピックアップするドリンクで「コスタ」(ワールドワイドパートナー:コカコーラボトリングのコーヒー)を選び、スーパーカップに垂らして食べるのが美味いというのが「村伝説」だった。
「経験に勝るものなし」が座右の銘である僕も1度やってみた。
「食べ物が合う」というが、それは、別々に食べる(第一・第二の)味覚とは違う、相乗効果による「第三の味覚」が湧き上がることを言うのだと想う。
ただ「スーパーコスタ伝説」について、僕が得られたのは「第二の感覚」までだった。
アイスを食べ、ドリンクを飲んでいる時、仲間と話そうと想えば話せる。ただ、そのために食べてはマスク、喋って外してと着脱を繰り返すのが煩わしい。
そして、食堂は大抵の時間が混んでおり、後の方のために席を空けなければならず、長居は無用だった。
選手村は選手団の住居であり、そこで提供されるサービスは選手団のためのもの。僕らボランティアは利用できない。
ただ、食堂だけは、オールスタッフのための施設。そこで提供される飲み物や食べ物で、僕らはささやかな特別感を味わうことができた。
今回、東京2020において、スタッフの食事としては弁当やファミレスで使える食券が配られたという話しを耳にした。
スタッフ用の食堂があるFAは、選手村だけだったのではないだろうか。
いつも、食堂という1つの空間で、選手村仲間たちと食べられたことは、特別な幸せだった。
この気持ちは、オリンピックの会期中に芽生え、つづくパラリンピックの終わり掛けには、多くの仲間たちが同じ思いだったと想う。
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