USBメモリーを4000個廃棄した
尼崎市民の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失したが、翌日見つかったという案件は、NHKニュースを初めとして、広くメディアが報道した。
USBメモリー専門家の出番である。
(なぜ出番なのかは後述)
世の中にUSBメモリーを仕事で使う人、管理している人は大勢いると想うが「企業の全USBメモリーを使用禁止したうえ、4000個のUSBメモリーを回収して廃棄した」経験を持つのは僕だけではないだろうか。
誰もやりたがらない仕事を押しつけられて、任務を全うするまでの日々は長く辛かったが、本題を外れるので、ここでは触れない。
初めに「USBメモリー」という用語について触れておきたい。
「USBメモリー」というのは「パソコンのUSB端子に挿して使う記憶媒体」のことだ。
パソコンにUSB端子が初めて装備されたのは1997年だが、当初はあまり使い途のないインターフェースだった。
USBメモリーが登場したのは2000年。
僕がUSBメモリーを初めて手にしたのは2001年。
得意先の営業マンが社名入りのノベルティをプレゼントしてくれた。
その営業マンは自分用はもらえないそうで、僕に渡した品を羨ましそうに見ていた。
思わず僕が「あげようか」と言ったら、今にも受け取りそうな顔で「いやいや」と苦笑いしていたのを思い出す。
当時、1.25MBのFD(フロッピーディスク)でデータをやりとりしていたサラリーマンに、容量が大きいUSBメモリーは一気に広まった。
後に情報漏洩のメイン・ツールになるとは、誰も想っていなかったので「買い放題」の「使い放題」
中には私品を会社に持ち込んで使う者あれば、恐らくその逆もあっただろう。
世の中に「情報セキュリティ」「法令遵守」の意識が乏しかった時代のことだ。
世の中の人が最初に出会った「USB機器」が「USBメモリー」
当初から大半の人が「USB(ゆーえすびー)」と省略して呼んでいた。
その名残で、ITリテラシーが低い層に今もこれを「USB」と呼ぶ人が多い。
しかし、USB機器(USBデバイス)はメモリーだけではない。
ハードディスクなどの記憶機器、DVDなどの記憶媒体を使うメディアドライブ、マウス、キーボード、イヤホンマイクといった周辺機器。USB給電を利用したデスクライトや扇風機まである。
従ってここでは「USB」と省略せず「USBメモリー」と表記する。
■尼崎USBメモリー事案 時系列の記録
2022年6月23日
尼崎市発表
・46万人余の個人情報が入ったUSBメモリーがなくなった
・業務委託先会社の担当者がUSBメモリーに個人情報データを入れて持ち歩いていて、紛失
・USBメモリー機器はパスワードを入れるタイプである
・パスワードは13桁
2022年6月24日
尼崎市発表
・会社の担当者が改めて探したところ見つかった
冒頭「USBメモリー専門家」の出番としたのは、ウェブ記事、ニュースショーの論評の中で「それは違うのでは?」と想った以下2つの点について述べるためである。
論評1
今どきUSBで持ち歩くとは驚き。クラウドの活用を考えてはどうか
論評2
USBメモリーにかけていたパスワードの桁数を、会見で話したのはセキュリティ意識が低い
つづく
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