夢のようなランドリー会話
選手村の最寄り駅である「勝どき」まで大江戸線で向かっていると、Field Castの青シャツを着た人が「勝どき」よりも手前の駅で降りていく。
ということは、オリンピックが始まったということだ。
競技に接していない僕らには、その実感がない。
僕らにとっての五輪は、7月7日選手村プレオープンの日に始まっていた。
レジセンにいる時、選手から質問を受ける場所で、もっとも多いのが「ランドリーサービス」だった。
選手村はオリパラ終了後は「HARUMI FLAG」としてマンション(買い取りまたは賃貸)に改装されるが、現時点ではホテル仕様であり、各部屋に洗濯機の置き場所はない。
各部屋には白物、色物、下着それぞれのランドリーバッグが人数分置かれている。
洗濯物はバッグに入れて、選手自らランドリーサービスへ持参する。午前10時までの持ち込みは当日。それを過ぎると翌日仕上がり(受取)となる。
場所を聞かれた場合、通常はドアを出た所まで行き「ここをまっすぐ行って左側」のように教える。
それほど遠くではないので、業務にゆとりがある時は「Come with me」と連れて行くこともある。
(「No thank you」と言われたことは一度もない)
この道すがらは、選手と時間を共有できる貴重な機会だ。
黙って歩くのは性に合わない。
選手に少しでも、この時間を楽しんで欲しい。
いきなりの「声かけ行為」は禁止でも、案内時に話すのは、友好的なコミュニケーションとして許されるだろう。
It's hot in Tokyo.
(東京は暑いでしょ)
The rainy season ended a week ago.
(一週前、梅雨が終わりました)
関東の梅雨明けは、平年より3日早い7月16日だった。
開会式当時の東京は、洒落にならない暑さで、僕は判で押したようにこのフレーズで押した^^)
ほんとに、そうよね。この暑さはクレイジーね。お手上げ^^)
ほぼ例外なく、選手から笑顔が返ってくる。
他愛も無い会話だが、それは、とても貴重なことだった。
さすがに競技会場で、ぴりぴりしている選手に天気の話しはできない。
選手がリラックスして過ごせる場所、選手村ならでは。
希に天気の話しから、会話が2巡めに入ることもあった。そうなると、僕にはポケトーク「どらちゃん」という強い味方がいる。
FA「移動サポート」(運転手)にいる知人は「クルマの中では、英語できませんという顔をして黙り込んでいる」と話していた。
その気持ちはわかる。競技会場間の行き来なので、相手もぴりぴりしているかも知れない。
それに、運転中はポケトークが使えない。
一度だけ、このランドリー会話から「バッチを交換しない?」と持ちかけられた。
なんだか心と心が通ったようで、夢のような気分だった。
その国のバッチをもらうのは初めてで、二重に嬉しかった。
| 固定リンク | 0
「スポーツボランティア」カテゴリの記事
- 人は誰でも「モード」を切り替えて生きている(2022.08.05)
- 国際親善 温泉卓球の試合結果(2022.08.04)
- 選手村仲間と卓球特訓(2022.08.03)
- MFCで狙っていたこと(2022.08.02)
- 謙虚なリーダー、松下さんの意外な行動(2022.07.18)
コメント