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2022年7月16日 (土)

佐藤公俊 はげし雨 佐藤読み

佐藤公俊は新たな放送スタイルを提唱しているのだと想う。

NHK正午前の気象情報に気象予報士、佐藤公俊が登場する。
佐藤公俊は、日本気象協会に所属する気象予報士。NHKの職員ではない。

彼はゆったりとした口調で、午後の予報を話し始める。
ところが、ここぞという要所のところで、妙な早口になる。

「沖縄付近は雨雲が発達しやすく、1時間に30mm以上、はげし雨が降るところがありそうです」

初めのうちは、少しだけおかしな感じがした。
それが、毎日のように聞いているうちに、違和感に成長した。

これまでに、どの気象予報士からも、こんな言い方を聞いたことがない。
彼の言い回しが特徴的なのは次のようなことば。

激しい雨→はげし雨
明日の天気→明日(の)天気
気象情報→きしょ情報
東京都心→とうきょ都心
最高気温→さいこ気温
太平洋側→たいへよう側


「沖縄付近は雨雲が発達しやすく、1時間に30mm以上、はげし雨が降るところがありそうです」
という文章のうち、見る側にとって重要なキーワードは「沖縄」「雨雲」「30mm」ということだ。
「激しい雨」を「い」を抜いて「はげし雨」と言っても、前後の関係からそれが「激しい雨」であることはわかる。

ちなみに画面字幕には「沖縄に激しい雨」と表記されていた。


佐藤公俊のスタイルを観ていて、古館読みを思い出す。
古舘読みとは、古舘伊知郎が始めた、英語固有名詞の抑揚のない読み方

F1中継実況を担当したフジテレビアナウンサー古舘伊知郎は、アラン・プロストをプにアクセントがある「プロスト」ではなく、どこにもアクセントがない「プロスト」と平坦に読んだ。
その後、本来のアクセントを抜き、抑揚をつけず平坦に読む人が増え、これが「古館読み」と呼ばれるようになった。
公的な言葉ではないので、この呼称を知らない人も多い。
広辞苑 第七版 に載っていないのはわかるとしても「Google先生」すら、認識していない。
僕の場合、その呼称を知っている側になったのは、古館が「プロスト」と読んでから、20年後のことだった。


古館読みのように、従来の読み方と違う読み方をすることには、次の意図が推察される。
・その名詞に新しい価値観を持たせる
・自分が共感、一体感を持っていることを強調する
・同音異義語を区別する


佐藤公俊は、この一部の音を省略する「佐藤読み」で何を意図しているのだろう。

・容易に想像がつく(視聴者がイメージできる)言葉は、省略して尺を詰める
 それによって
・重要な情報を際立たせる
ということではないだろうか。

まだ誰もやっていないスタイルで、独自性を際立たせたいと想っているかも知れない。
それは、とても素敵なことだと想う。

レコーダーの番組表から、平日11:54~12:00 NHK 気象情報を録画して観て欲しい。
あなたも、いち早く「佐藤読み」を認識した側の人間になれる。

数年前、映画「シン・ゴジラ」で、異常に早口の台詞が話題になり、それを取り入れたタレントやビジネスマンが現れた。早口が聞いていて心地いいのは「中身がある」話しに限る。中身がなく「何かを言っているようで、何も言っていない」話しを早口で話して悦に入っている姿は滑稽だ。

「佐藤読み」の追随者は現れるだろうか。話し言葉の音を意図的に抜くというのは、やってみるとなかなか難しい。ただ、音楽の世界では古今東西行われてきたことだ。フォロワーを待ちたい。

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