MFCで狙っていたこと
選手村オフの明け方、僕は大木さんとオリパラに向けた会議をしていた。
互いに青シャツを着ていないので、それは大会前だとわかる。
選手村の施設ではないので、そこは、どこかのオフィスなのだろう。
大木さんは、まだField Castとしてのアサインをいただく前から、お世話になっていた方。
責任感が強く、是々非々の感覚がしっかりしていて、ことなかれ主義では済まさないという潔さに、僕は大きな信頼を寄せている。
目が覚めて、大木さんに例の懸案を話してみようと考えた。
それは「なぜ、リーダーじゃないんですか」の件だ。
こればかりは、今さら言っても始まらないし、恐らくこの先、誰にも言うことないだろうと想っていた。
詳しくは触れないが、大木さんからいただいたお返事に、僕が今進むべき道が示されていた。
この日を境に、考えるのは止めた。
いや、止めよう。そして、閉村までの40日をエンジョイしようと決めた。
アサインが選手村だった僥倖
これまでの活動が仲間に支持されていること
日々、新しい仲間が増えること
論えば切りが無い幸せな状況が目の前にある。
これをエンジョイしないでどうするの?
大木さんの言葉が、スイッチを入れてくれた。
その日のシフトは、初めての受付①
僕のアサインは大半が受付②(レジセン業務)で、オリパラを通じて受付①はオリが1回(MFC)、パラで1回(ビレッジプラザ)の2回のみ。
周りには同様に②が多くて①が少ないという仲間が多かった。
ただ、①が多くて②が少ないという方も希にいた。
それが、面談で判断した適性なのか、選ぶ側の理由は、もちろんわからない。
受付①には「MFC」と「ビレッジプラザ」の2種類がある。
「MFC」はMFC棟にあるレクリエーションセンター、トレーニングジムの担当。
「ビレッジプラザ」は、ビレッジプラザ内ヘアサロンの担当。
たった一度のMFCということもあり、楽しみにしていたことがある。
それは「温泉卓球」だ。
そこに温泉施設があるというわけではなく、浴衣とスリッパでやるような、ゆるい卓球をいう。
選手村の役割別研修を受けた際、レクリエーションセンターには卓球台があり「選手と卓球ができる」という幸運があるかも知れないという話を聞いていた。
僕は卓球部だった経験こそないが、大学受験前には県北会館の卓球センターに通い腕を磨いた(地元の人しかわかりません)
そこで、編み出した技が「温泉サーブ」
投げ上げサーブを打つと見せかけて、すかさずペンホルダーの裏面(ラバーは貼ってない)で対角線に打つサーブだ。
⇒卓球用語集
左利きの僕が対角線に打つと、右利きの人のバックハンド。しかも、ひと呼吸早くボールが来るので、大抵の人は意表を突かれて返球に失敗する。
2度めからは対応されるのだが、1回めの成功率は100%だった。
ただ、これがネットを超えないと、せこさで笑えない空気になるという難点もある。
これを、五輪選手団にお見舞いしてやろうというわけだ。
MFCの集合は、選手村生活でただ1度、再早(さいそう)の6:30
始発電車に乗ってぎりぎり。
もしかすると、MFCの人は近くに住んでいる人なのか?
とこの時想った。
ガラガラの大江戸線の車輌は、僕ともう1人、青シャツの男性。
FAを尋ねると「移動サポート」だという。
わずかな時間だが、互いの仕事内容の話に花が咲く。
築地市場で降りて行く際「今日はお話ありがとうございました」と言ってくれた。
こういう、謙虚で、礼儀正しく、感じのいい人が職場に欲しい(実感)
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