ラジカセ生活は、ラジカセ+音楽カセットへ
ラジカセ生活再開後の2台めとなるスタジオ1990を手に入れて以来、カセットは鳴らすものから聴くものに変わった。
1990で豊かな音を聴いていると、それまでのスタジオ1980では、カセットから音が鳴るというノスタルジーを楽しんでいたのだと想う。
かつて聴いていた、自分にとっての名盤をもっと1990で聴きたい。
当初はカセットを鳴らすための備品だった「音楽カセット」は、音楽カセット集めという趣味に昇格。
ラジカセ生活は、ラジカセ+音楽カセットへと変貌した。
「音楽カセット」という言葉は広辞苑 第七版には載っていない。
しらべるの定義は、音楽家の作品をカセットテープに録音した商品。
その大半はレコードで発売される内容と同じ音源で、レコードの新譜発売と同時期に発売されていた。
シングルカセットも少しだけ存在するが、大半はアルバムカセットである。
レコードに「輸入盤」があったように、カセットにも日本版と輸入版がある。
ただ、カセットが現役で売られていた時代に、カセットの輸入版を見かけたことはなかった。
欧米に比べて日本のレコードは高価格だったため、海外から入ってくる輸入盤は3割程度安く買うことができた。そのため、音楽雑誌には輸入業者の通販広告が掲載されていたし、そこには海賊盤も含まれていた。
一方、音楽カセットはレコードに比べて買い手が少なく、カセットの輸入版という市場が成り立たなかったのだろう。
現在ヤフカリで販売されているものは「日本版」「外国版*」と表記されている。
*外国版はUK版、US版のように国名で表記されることが多い
コンパクトカセットは世界統一規格であり、外国版も日本のラジカセで問題なく聴くことができている。ただし、外国版で「これは!」という高音質のカセットには未だ巡り会っていない。
「日本版」の音楽カセットは日本のレコードメーカー、音楽カセット専門メーカーが発売していた。
アポロン音楽工業株式会社は後者の1つで、ワーナーパイオニアが発売するレコードの音楽カセットを販売していた。
蒐集した日本版カセットにも「販売元アポロン」のものが多い。
■アポロン発売のカセット例
QUEEN、LED ZEPPELIN、DEEP PURPLE、アンルイス、太田裕美、沢田研二、森進一、山下久美子
同タイトルでも「クイーンのすべて」のように、ワーナー・パイオニア版とアポロン版が別々に存在するものもある。
現時点では、音楽カセットについて詳しく書かれた文献が見つかっておらず、どのような棲み分けが行われていたのかはわからない。
日本版は、ラベル(レコードジャケットに相当)、ハーフラベル(カセット本体に貼ってある)が日本語表記。
多くの商品に折りたたんだ歌詞カードが同封されていた。レコードのそれに比べると、かなり文字が小さいため、これを広げて曲に合わせて歌っていた人は、あまり居ないと思う。
レコードに封入されるブックレットやライナーノートは省略されている。
外国版はラベルがシンプル。ハーフラベルは英語表記(ただし、日本人アーティストの香港版は日本語表記)
日本版ではケース外に折り返したロングラベルが散見されるが、外国版はケース内で納まるものがほとんど。
ちなみに中古品では、ロングラベル(ケース外の部分)が切り取られたものが多いが、大半の出品者はそれに言及しないか、そもそも気づいていない。
■蒐集したカセットから予測した「音楽カセット」発売の開始と終焉
1972年頃から
レコードと同時にカセットが発売され始める
1972年に井上陽水名義で再デビューした井上陽水の場合、2nd「センチメンタル」以降が発売されているが、1st「断絶」の単独タイトルは発売されていない。
1982年
音楽CD発売
徐々にアナログからデジタル音源へ移行していく。
カセットに落とす音源が、どのように推移したのか興味深い。文献の登場を待ちたい
1992年頃
国内版カセットの販売が終了
佐野元春は1992年の「sweet16」まで
1995年頃
外国版カセットの販売が終了
QUEENは 20th(last)アルバム「MADE IN HEAVEN」がカセット発売されている
つづく
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