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2022年12月18日 (日)

原付で一時停止無視の軽トラにはねられて救急搬送される

「昔住んでいたんですけど、部屋の中を見せてください」
もちろん、そんな訪問ができるわけもない。曙荘を後にして次の目的地に向かって歩き出した。

祖原の交差点で信号待ちしていると、赤い車体に「chari」と書かれた自転車が横切った。
見るからに、僕が探していた貸自転車だ。
あ、あるんだ、いいなぁ・・

後日、博多の知人から聞いたところによると「チャリチャリ Chari Chari」というサービス。
運営する「neuet(東京都)」のホームページによると、東京・名古屋・熊本でも展開している。
(東京は文京区の一部のみ)
東京のセブンイレブンなどに置いている「docomo bike share」との提携関係はない様子。
docomo は、共通IDで各地のサービスが利用できるのだが、博多には提携サービスがない。

料金は1分6円(電動1分15円)と、利用単位が細かい。
※docomo は電動のみ 30分165円
「博多の人は1kmくらいの距離でも利用している」という。


祖原の信号から国道263号線の一本裏通りへ。
この道がアパートから大学へ向かうバイクの通学路。

しばらく行くと信号のない交差点に差し掛かる
交差する道は左からの一方通行で一時停止義務がある
ここが、次の目的地。一度、じっくり見ておきたかった


大学二年から三年に上がる春休みのことだ。
朝の6時頃、原付のYAMAHAパッソルに乗ってアルバイトに向かっていた。
喫茶店ロッキングチェアで知り合ったスズキのおばちゃん(仮名)に紹介してもらった土方のバイトだ。

僕の苦学生ぶりは常連さんの知るところになっていて、スズキのおばちゃんも時々「マスター、moto君にカレーば」と言って、カレーを奢ってくれた。
土方は日給が高いが、紹介でもなければ、学生が仕事をもらえることはなかった。
何度か、土木工事店の列に並んだことがあるが、僕のところまで仕事は回ってこなかった。

「今日は稼げるぞ」
いそいそとバイクで向かっていた朝、この交差点で車にハネられて救急搬送された。
事故の相手は軽トラ
青果店の佐藤さん(仮名)は一時停止を履行せず交差点に入ってきた
僕が気づいた時には、左側の目前に大きく白い軽トラの姿があった
互いに徐行もしていない、出会い頭の事故だ

次に気づいたのは、数分後
混濁した意識の中で近所のおばちゃんらしき声が聞こえた
「大丈夫かねぇ」
「救急車、遅かね」

この時、僕はこう考えた
そうか、あの車とぶつかって意識を失ったのか
でも生きているな。救急車も呼んでもらっているらしい
ならば、ひと安心だ

目を開けようと思えば開けられるのかも知れない
だが、ここで目を開けると事態が好転するわけではない
心配していただいて悪いが、もう少し意識不明のけが人でいよう

次に目が覚めた時、そこは吉村病院のベッドの上だった。
吉村病院は修猷館高校のそばにある病院。事故現場から救急車ならば5分かからない距離にある。

事故からどれくらいの時間が経ったのかはわからない。
既に治療は終わり、状態は安定していたのだろう。
目が覚めたのは個室の病室だった。

手元にあったボタンを押すと看護婦さんがやって来た
「ご実家には連絡済みです。他にどこか連絡するところがありますか」
そう聞かれて、アルバイトを紹介してくれたおばちゃんに「事故に遭い行けなくなった」と連絡してもらった。

個室で寝ていると、しばらくして青果店の佐藤さんがやってきた。

コロナ禍で三年ぶりのさとがえり(目次)

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