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2023年3月 4日 (土)

H3ロケット打上げ! 「ロケット団」の成功を祈る

2023年2月17日に中止となり、延期されていたH3ロケットの打上げ予定日が、3月6日(月)に決まった。

3月10日が延期予備日の期限。
自治体、漁業従事者など、多くのステークホルダーと調整して決められた日程は動かせない。
天候の影響により数日の延期となることを織り込むと、ぎりぎりのタイミング。
ただ、わずか2週間の間に、原因を突き止めて、リトライにこぎ着けたことには、少し驚いた。

H3ロケットが晴れて、ビジネス運用の軌道に乗った後、この「2週間の奇跡」に、ドキュメンタリー映像や書籍で触れたいと思う。


正午のNHKニュースで報じられた3時間後、JAXAの会見が行われた。
この模様は、2月17日の「中止」後の会見と同様、JAXAチャンネル(You Tube)で生配信された。
以下は、その内容から、素人ロケット団の僕が「これは知りたい」「大切なことだ」「なんじゃそりゃ」と想ったものをまとめた記録である。


登壇者は前回同様、岡田匡史プロジェクトマネージャー(PM)

冒頭の説明
再打上げ日程は、3月6日(月)10:37:55
天候の具合をみて随時判断する。

■打上げ中止の原因
(概要としては)
SRBの点火許可は出ている。ソフトウェアにより停止信号が出された。

■行った調査
・(物理的な)検証試験
・ソフトウェアのコードの検証
・回路の検証

■わかったこと
アンビリカル離脱(物理的なロケットのロック解除・へその緒を切るようなこと)の前に、電気的離脱がある。そこで、誤った(半導体スイッチをオフにする)信号が出た。

■行った見直し
・電気的離脱手順の見直し
・電位変動が起きない(=電気的なノイズが出ない)ような順番に変えた
・試験をして正常動作を確認した

(3月5日16時より)機体を発射位置に移動後、(18時より)最終確認(データ取り)をおこなう。
天気の動きに注目しながら、作業を続けたい


◆質疑応答
注意は「質問は簡潔に」のみ。前回のような「1人1問」制限はなし
(前回、1人1問のルールは守られなかった)

【Q】改めて意気込みを聞かせてください
【A】今度こそ打ち上げたいと思います

【Q】再打上げのメドが立ったのはいつ?
【A】再打上げがみえてきたのは数日前。
これでいけるという気持ちになったのは、昨日おとといの話し

【Q】原因がみつかった時の気持ちは?
【A】イギリスの諺でしょうか「朝焼けの前は暗い」という気持ち

【Q】5日18時からは、何を検証するのか
【A】安全性を十分確保したギリギリで、動作が健全であるかを確認する。

【Q】成功と失敗の基準を語ってほしい
【A】今ですか?(驚いた表情)
17日(の中止)より突っ走ってきたので、今、頭がそういう状態になっていない。
(成功・失敗は)尺度が人それぞれある話しなので、私が言うものではないかと想う。

【Q】感想を聞かせてほしい
【A】これだけ短期間にこれだけのことをしたのは初めて。(出口が見えて)よかったなと想う。関係者の皆さんがよくやってくださった。

【Q】種子島で開催されているロケットコンテストに参加されている400人の学生さんにメッセージを
【A】「君たちすごいな」と想う。
自分は学生の時にそんなことをやろうと想わなかった。ロケットコンテストをとても楽しみにしている。
(情意に訴えようかというこの質問だが、岡田さん、この質問に答える時は、とても愉しそうだった)

【Q】3月10日までに打上げできなかった時の調整はどれくらいかかる?
【A】私はそこに携わっているわけではないが・・
ステークホルダーが多く、全体的な調整になる。

・最後に
今度こそ、打上げを成功させるべく、最後の一瞬までがんばりたい。
エンジニアは最高のパフォーマンスを見せているので、打上げ成功につながると想う。


ほとんどの記者が、質問の最後を「成功をお祈りしています」「がんばってください」と言い添えて締めくくっていた。

1時間の予定で始まった会見は、すべての質問を答え終わった 16:48に終了した。


NPBやJリーグのように「意気込み」以外(チームの内情・戦術は)話しづらいインタビューですら「改めて意気込みを」とやられると、萎える。
ジャーナリストならば、ステレオタイプでなく「お、やるな、この記者」と思わせる質問を考えて臨んでほしい。

ロケットを「これから開発します」という段階で「意気込み」を問うならばわかる。
だが今は、人々が準備を終えた後。
人の体で行うスポーツではないのだから、スタッフの意気込みが強ければ、ロケットが機嫌良く打ち上がるものでもない。
この期に及んで、プロジェクトマネージャーに「意気込み」や「気持ち」を聞くことに違和感を抱いた。

右目にホコリがはいって、しきりに目をさわる岡田さん
「これは涙じゃないです」と説明したのに笑った。

打上げ当日はJAXA、製造各社、ステークホルダー、見守るファンから成る「ロケット団」の一味となり、大空に力強く舞い上がるH3ロケットの姿を、この目に焼き付けたい!

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