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2023年3月 5日 (日)

東京マラソン2023 走る前から「金メダル」? 外国人ランナーが多い理由

なぜ、これほど、気持ちが昂ぶるのだろう
「東京マラソン」には、得体の知れない魔力が潜んでいる

2005年、自身の初マラソンを控えていた時、石原慎太郎都知事により「東京マラソン」の詳細が明らかになった。

「制限時間7時間」「定員3万人」「東京の名所を巡るコース」
日頃、地元の川沿いや公園といった「日の当たらない道」を細々と走っていたど素人ランナーにとって、東京の街を1日封鎖して走るなんて、織田裕二もびっくり。そんなことが、現実に起こるとは想ってもいなかった。


■東京マラソン創生期

2003年11月14日
石原都知事が東京マラソン構想を記者会見で発表

2004年4月
東京都と日本陸連が協議を始めた
東京マラソン事務局事業部長の早崎道晴氏が自転車で都内の道路を走り、コースを煮詰めていった
*参考文献「東京マラソンの舞台裏」枻出版社

2005年12月12日
第一回開催日を正式決定 制限時間7時間、定員3万人、コースが公表された

2006年4月10日
開催要項発表

2007年
2月18日(日)第一回開催(第1回は2月第3日曜)
青梅マラソンに配慮して、間隔を空けた週が選ばれた

2023年3月5日(日)
東京マラソン2023(第17回大会)が開催される
コロナ禍以降では、2度めとなる。

コロナ禍以降の東京マラソン 東京マラソン2023まであと1週間


大会3日前の3月2日、僕はボランティア・ウエアを受け取るため、東京ビッグサイトに居た。
今も異次元の運賃を誇るりんかい線「国際展示場」の駅を出て、その異様を遠くにみると、ランナーではないのにテンションが上がる。
徐々にその異彩が近づくと、井之頭五郎の気分だ^^)

僕がスポーツボランティア界にデビューしたのが、2007年の「第1回東京マラソン」
当時は、周囲に「ボランティアに行く」というと「どっかで地震あった?」と言われた時代。
それ以降、東京マラソンは訳あって縁遠く、これがようやく2度めとなる。

第1回のボランティア受付会場は東京ドームだった。
2016年大会までのコースは、東京ビッグサイトそばの臨海部にゴールしていたため、ここはランナー・ボランティア受付に使われていた。
2017年大会以降、銀座四丁目の左折が右折となり、コースは臨海部には足を踏み入れなくなっている。


ビッグサイトに向かう人たちのシルエットは暗い。その大半がビジネスショーや会議といったイベントを目指しているからだ。
その隊列の向こうから、外国人のご夫婦らしき人がやってきた。スポーツウエアの色合いは、一目でそれが東京マラソン受付帰りなのだとわかる。

「おいおい」
思わず、つっこんだのは、女性の首から金メダルがかかっていて、ストラップは見覚えのある東京マラソン・チェッカー模様。
なんで、走る前から完走メダルを提げているんだ?おかしいだろ^^)

僕は推測する。
恐らく、外国では「過去に走った大会のメダルを、次の大会でも提げてくる」という文化があるのだろう。五輪選手村で選手やボランティアが「どーだ!」とばかり、ストラップにピンバッチを付けているように・・

会場内にも、同じ趣向の外国人がたくさん居て「金メダリストの集い」かと思った。
推測は確信に変わった・・・のだったが
この日、出会ったジャーナリストの堀潤さんも首から金メダルをかけていた。

毎朝の習慣である「モーニングFLAG」のキャスターである堀さんが、東京マラソンを走ることは知っていたが、確か、堀さんは初マラソンでは?過去の完走メダルは持っていないはず・・・

*堀さん、ネガティブスプリットの快走をお祈りしています!

どこかのブースで、完走メダルのレプリカでも配っているのかな?
「金メダル問題」は、後に謎が解けた(後述)


会場に入ると見慣れぬ光景に違和感を感じた。
地べたに座り込んでいる人がとても多いのだ。
日本人は公衆の面前や店舗で、地べたに座るという風習がない。
それらの方はほぼ皆、外国人だ。

EXPO会場を歩いている方も、外国人がとても多い。
「出場ランナーに占める外国人の割合」というデータは承知していないが、体感として「五割は外国人」である。
外国人出場枠を多めに設けたのか?
今日が外国人受付日なのか?
ただ単に、日本在住のマラソン大好き外国人が集まっているのか?

いろいろな「?」を頭に描きながら、会場のすべてのブースをチェックする。
こんな刺激的な空間は珍しい。


「東京マラソンに外国人が多い」問題の謎は、ランナーとして参加する選手村仲間による次の意見が、的を射ていると想う。

「2020大会からの権利移行組が、大挙、参加しているのだと想います」


■出走権付与(特例)
コロナ禍の影響により、不開催だった2020、2021大会出場者に対して、以下3大会での出走権付与(権利移行)の特例が設けられている

(1)東京マラソン2021[2022年3月6日(日)開催]
(2)東京マラソン2023[2023年3月5日(日)開催]
(3)東京マラソン2024[2024年3月3日(日)開催予定]

選択肢は3つあるが (1)の時点では、外国人の入国が規制されていた。
今回(2)は外国人の入国緩和後、最初の大会。
権利を留保していた外国人ランナーにとって「出走解禁」となる最初のレースなのである。


一方「金メダル問題」の答えは、ランナー受付のボランティアが教えてくれた。
「中止になった大会に走れなかった方に渡しています」
ランナーに渡すパッケージに目印があり、その方に渡しているという。

それで、権利移行でやってきた外国人が軒並み、走る前から「完走メダル」をかけていたのだ。

EXPO会場には、連日多くの外国人ランナーが詰めかけていた。
東京マラソン2023のコース上には多くの外国人ランナーが走り、まるで東京が外国になったような光景が広がっているかもしれない。

ランナーにとって、走りやすい、ほどよい好天の1日となること
ランナーの皆さんにとって、笑顔の快走となることを祈る。

ど素人!マラソン講座

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