東京マラソンは「ネガティブスプリット」 品川からビクトリーロードでゴールを!
自身2度めの東京マラソンは、概ね「成功」といえるレースでした。
⇒新コース!仮装して走る2度目の東京 2017年
⇒http://silabel.o.oo7.jp/marathon/tokyo_2017x.html
このレースには、知人の松田さんも出場しており、彼は見事な「失敗」をしてくれました。
ここでは、私の成功と対比してご紹介します。
レースの2ヶ月前、松田さんが「東京マラソンで初マラソンに臨む」ということを、風の便りに聞きました。
彼は企業の要職者。練習にはサブ3ランナーがついてメニューを作っており、レース当日は大挙して応援ツアーが組まれると言います。
「最低でも4時間は切りたい」という本人談も伝え聞きました。
それを聞いて、正直言って羨ましかったです。
ついでに、僕も応援してくれたらいいのに。
僕は11回走ってPBは4時間29分。松田さんは僕よりひと回り年上なのに、専用メニューで練習すると初マラソンで4時間が切れるのか・・
僕よりもずっと前のブロックからスタートして、僕よりも1時間ほど速いはずの松田さんとは、レース中に会うことはありませんでした。
彼の失敗を知ったのは、レースが終わり公式記録がWEBで公開された時です。
東京マラソンは 氏名がわかれば、5km毎のラップタイムを検索できます。
彼は最初の5kmを「キロ5分」という、僕からすると驚異的なペースで入っていました。
サブ4の場合、キロ平均は5分40秒ですから、彼が「最低でも4時間」あわよくば、さらなる好タイムを狙っていたのがうかがえます。
ところが、次の5kmから右肩下がりでラップは落ちていき、品川から折り返す35キロからの5kmは、キロ8分を超えていました。
キロ8分というのは、沿道からみると「歩いているように見える」速さ。走っている本人からすると「歩いたほうが速いんじゃないか」と辛さと情けなさに苛まれるペースです。
一方の僕は、スタートから最初の5kmまで、分刻みでペースを上げていきました。
東京マラソンは序盤の5kmは急激な下り。
下りは体の負担が軽いため、ここで「けっこう俺、いけちゃうんじゃね?」と勘違いする人がいます。2009年に走った時の自分がそうでした。
「せっかくの下りだから、速く走らないともったいない」
この考えは不要です。
ゆっくり走って損になることはありません。
ゆっくり走っても、体の負担が上りより下りのほうが軽いことは同じ。
下りがもったいないという誤解を捨て、体がレースペースに乗るまで「これでもか」とゆっくり走ることで、終盤に劇的な力が生まれました。
5kmを過ぎてからは、コースのアップダウンにより多少タイムの上下はあったものの、ほぼ一定の5キロ35分ペースで品川までやってきました。
すると、品川で折り返した途端、何かが降りて来たように突然、力がわきました。
「ランナーズハイ」という得体の知れない言葉がありますが、後付けであてはめるならばそれだったかも知れません。
周囲には歩いているランナーが多く、走っていてもスローダウンしている。
その中を「異次元のスピード」でごぼう抜きしていくのは、実に気持ちよかった。
35キロからの5キロは34分で通過
「そんなに速くないじゃん」と想うかも知れませんが、周りが遅いので体感としては"市民ランナーを追い抜くエリートランナー"の気分。
品川からゴールまでは沿道の応援も多く、沿道からは「はやっ」という声も聞こえ、ゴールまではまさに「ビクトリーロード」
結局、中間点までの前半は2時間33分、後半は2時間27分。後半は6分速く走ることができました。
松田さんのように、前半を速いペースで突っ込み、前半より後半が遅いタイムで走ることを「ポジティブスプリット」
僕のように、中間点を境に、後半を前半よりも速いタイムで走ることを「ネガティブスプリット」と言います。
経験から言える確かなことは、5時間を切るレベルのランナーが好タイムを出すには、最初の5キロは力を温存して、最後までイーブンペースで走りきるレースプランで臨むことが有効です。
そして「ネガティブスプリット」に必要なものは、前日のブログでご紹介したとおりです。
強力なスポーツジェル、WINZONEなどのサプリメントを持参して補給してください。
ラップタイムから類推すると、終盤のビクトリーロードを快走していた時に、松田さんを追い抜いていたことがわかりました。
レース後、僕も同じレースを走っていたことは、松田さんには話していません。
それが、武士の情け、いやランナーの情けというものだと想います。
東京マラソン2023大会当日、私はフィニッシュエリアのボランティアで皆さんをお待ちしています。
タイムを出すのに好適なほどよい好天と、笑顔の快走をお祈りします。
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