サッカー仲間の町、湯本で神社巡り
車窓の景色が好きな女子は、茨城県の駅で下りて行った。
そろそろかな・・
iPhone13miniを取りだして、地図アプリを立ちあげる。
9:50
品川を出て1時間、地図アプリによると、陸前浜街道と併走する列車は茨城と福島との県境を越えた。
これで、未訪問県があと「2」となった。
線路沿いには県境看板は設置されていないし、車内の情報スクリーンに「福島県に入りました」と表示されることもない。
鉄道で超える県境には旅情が足りない。
9:59
磯原を出ると常磐線は一瞬だけ、勿来海岸沿いを走る。
車窓に広がる太平洋の雄大な景色を収めよう・・・
と動画を回したが、海が見えたのは断続的に1~2秒ずつだった。
泉を出ると5分で湯本に着く。
全車満席ということで、久しぶりに網棚に上げたリュックを下ろし、リクライニングやテーブルを戻して下車に備える。
10:16
「湯本」到着
改札を出て散策に入る前、トイレに寄る
掃除が行き届いていてキレイだ。この駅の規律・意識の高さが窺えて、旅の期待値が上がる。
ホームには数人のV・ファーレン長崎のサポーターがいて、会釈で挨拶する
ユニフォームというアイコンの力は強力だ。
それは、バイクのツーリングにおける対向車とのVサインに似ている。
この場所に、この恰好でいるだけで、1つの価値観を共有していることが、互いに明快に分かる。そして、どちらかが挨拶をした時、大半の人がその意思に共感で応える。
改札口で「温泉神社はどう行けばいいですか?」と尋ねると、親切な駅員さんから「いわき湯本温泉まちなかまっぷ」をいただく。
僕がめざす温泉神社がイラスト入りで紹介されているところを見ると、僕はなかなかいい選択をしたようだ。
「トランペットを吹く人」や「花束」を持った少女の銅像がベンチに座っている。
亀有の「両さんの銅像」みたいなものだろうか。
居合わせた、本日の「いわきFC - V・ファーレン長崎」戦 冠スポンサー古河電池のかぶり物のお兄さんに「この銅像はなんですか?」と尋ねてみたが「わからない」とのことだった。
僕「今日はよろしくお願いします」
お兄さん「がんばりましょう!」
サッカーの試合で戦うのは選手たちであり、僕らは「共に戦うぜ」とチャントを唄うけれど、それは「味方の貴方たちを応援している」ということであり、相手のサポーターにバチバチ、ガン付けて戦うことではない。
アウェイの地に足を踏み入れた時、このような心の交流があるか。なにもないか。何らかの諍いになることは無い。
試合後も、駅に向かって歩いていると、見知らぬ方から「長崎のサポーターさん、気をつけて帰ってください!」と声をかけていただいた。
ここはサッカー仲間の町らしい。
初夏を通り越して、本番の夏が訪れたような日差し。ときおり、それを和らげるように強めの風が通りを吹き抜けていく。
迷いようがない一本道を地元の自家用車と共に歩く。人影はまばらというより、僕以外に誰も歩いていない。
10:34
温泉神社と書かれた石碑から左折して、鳥居の手前で軽く一礼。
行き違う人は居ないけれど、極力、階段の右端に寄って上っていく。
神式の挙式で流れる、独特な雅楽の音が聞こえてくるが、強い風が木の葉を揺らす音がそれをかき消す。
僕以外に参拝客は一組のカップルだけ。2人が楽しそうに鈴を鳴らし、参拝を終えるまで、おみくじを眺めながら待つ。
おみくじにはいくつかの種類があり、縁起小物・全10種というシークレット売りもある。
おみくじコレクターじゃなくてよかった。もしそうだったら、大人買いしてしまいそうだった。
僕のような、二礼の前に二拍手してしまうような人が多いためか「参拝のしかた」が表示されていた。
レオンポケットタグがスマホに送信した気温は26度を超えていて、この日初使用の「着る冷暖房エアコン」レオンポケット4は、早速、冷房としての役割で、僕を冷やしにかかっている。
僕の足が浅貝水神宮に向かっているということは、どうやら、僕は最も参拝神社が少ない【プランA】を選択したらしい。
途中の湯本トンネルは人が通れるのか?
「Google先生」に尋ねても、答えがみつからなかった。
実際には5人が横に並べそうな広い舗道が両側に整備されていた。
こうしたことは、地元の人や現地経験のある人しかわからない。
10:58
温泉神社を出て15分 シミュレーターで試算した通りの所要時間で、第二目的地の浅貝水神宮に着いた。
思いのほか、こじんまりしていて目が点になったが、すぐに気を引き締める。
「この地をお守りいただき、ありがとうございます。」
ここでも常套句を述べると、最終目的地のいわきグリーンフィールドへ。
これで「47全都道府県制覇!」の旅は、あと「2県」
「ガイドブック」「Google先生」「ChatGPT」
今回の旅計画を通して、現時点でなにが信頼できて、どれが効率がよいのかを知ることができた。
半月後には「奥多摩神社参拝」を控えている。
その計画立案に向けて、よい経験を積むことができた。
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