連勝が簡単だとは誰も想っていないGame2へ臨むブースターの心理 「千葉遠征三日間」 【4話】
「千葉遠征三日間」で得た教訓【2】
サッカーがゴール裏であるように、バスケットの応援はベンチ裏
特に僕らのようなアウェイ組にとって、ここが特別な場所だとわかった。
ビジターエリアが隔離されているサッカー・スタジアムとは異なり、バスケット・アリーナに明確な区分はない。
開場の待機列も、ホーム・アウェイのブースターが混在して並んでいる。
それでもアウェイ側ベンチ裏、コートエンドは、アウェイ・ブースターが集まる場所。
コールとクラップを揃えて、仲間と一体になって応援できる。
Game2では、ここに居なければいけない理由を思い知ることになる。
残るGame2、3のチケットはコートサイド。
「誰か席を替わってくれないだろうか?」
Game1を終えた時、そんなことを考えていた。
千葉駅に着き、掲示板で次に出る電車を確認する
21:47 総武線快速(久里浜行き)
これは、事前にしらべておいた3便のうち、最も早いダイヤだった。
「こんなに、早く帰れるのか」
バスケットボールの標準的な試合時間は2時間。もつれる試合となると、フリースローやTIME OUT!で再三時計が停まるため、2時間30分を超えることもある。
今日は早くても2時間20分くらいか・・と予想していたが、思いのほか試合時間が短かったらしい。
恐らく、その要因は「ジャッジ基準」
正当なチャージから、やや広めにプレーを流す基準により、時計が停まっている時間が短かった。
明日のゲームでは、恐らくレフェリー・アンパイアは交替するだろうから、またどうなるかわからない。
ただ、できれば、明日もこの基準でジャッジしてほしい。ハードに守るVELCAにとって、その方が助かる。
5月13日(土)
Semi Finalを控えている時は、こう考えていた。
2戦2勝、Game2で終われれば、それに越したことはない。この大変な思いが2日で済む。
だが「アウェイでアルティーリに2戦2勝」は、虫が良すぎるだろう。
VELCAが勝つとすれば「Game1を取ったチームが勝ち上がる」法則どおりのパターン。
Game1を落として、無理をしてGame2を戦った後での連勝は厳しい・・・
そして、Game1が取れた。これはもう、現実として確定している。
「できれば、今日で終わりたいですね」
それが、VELCAファミリーの本音だろう。
千葉遠征2日めの朝、2連勝したいという気持ちと、3戦に持ち込まれても、まだ優位だという気持ちが交錯していた。
ただ、どの現実もリラックスして愉しむことは、なかなか難しかった。
昨日と同じ服装で家を出た
貴重な勝利を得た翌日、服装を変える理由が見つからない
(考えには個人差があります)
そして、今日もJR千葉駅から千葉都市モノレール経由を選択
同様の理由で、ルートを変える理由が見つからない^^;)
13:40
千葉ポートアリーナに到着
既に4台のキッチンカーがスタンバイを終えている。
平日の昨日よりは多いものの、それでも人影はまばら。
行きつけのMINATO CAFEに上がり、DAZNでツエーゲン金沢とV・ファーレン長崎の試合を観る。
2022年4月9日、初めて千葉ポートアリーナに乗り込んだ日、ここでV・ファーレン長崎 - FC町田ゼルビア戦を見て、長崎が1-0で勝利している(その日のVELCAは敗戦)
2023年5月13日(土)14:00
J2リーグ【15節】
ツエーゲン金沢 - V・ファーレン長崎
西部緑地公園陸上競技場
V長崎はここから、金沢away、岡山home、大分away と3連戦が始まる。
<スタメン>
GK 波多野豪
DF 増山朝陽 ヴァウド 櫛引一紀 米田隼也
MF クリスティアーノ 鍬先祐弥 加藤大 クレイソン
FW 澤田崇 エジガル・ジュニオ
<ベンチ>
GK 原田岳
DF 高橋峻希 岡野洵
MF 秋野央樹 笠柳翼 五月田星矢
FW 都倉賢
<前半>
11分【V長崎】 初めてのチャンス エリア内左からクレイソンが左足を振るが足にかからず左に抜けてしまう。ここから長崎の「枠に行かない日」が始まる
16分【V長崎】 エジガルがドリブルでエリア侵入 左足で巻いたシュートは回転がかからず枠の左
そして「決めきれなければ決められる」のジンクス通りとなる
19分【金沢】 左サイドからのFK ゴール前で庄司朋乃也がうまく頭で浮かせたシュートが波多野の手の先に吸い込まれる。長崎は今季セットプレーで初失点
「第二GK」の活躍をしてきたフアンマ、カイオの居ない影響か
と一瞬思ったが、これから控えるGame2のこともあり、できるだけネガティブな思考をしないよう、そこで止める
30分【V長崎】 増山朝陽の胸の空くようなドリブルでエリア侵入 加藤大シュートのこぼれ球をクレイソン 「これは来ただろう」と想ったが、詰めてきたGKを交わせず左へ外してしまう・・・
<後半>
6分【金沢】 エリア内でこぼれ球を拾った林 意外性のあるクイックターンからシュート 波多野の対応が遅れてゴール 金沢2-0長崎
15:10
試合は途中だが、15:30の開場時間が迫ってきたので待機列へ移動。
気持ちを沈ませないよう、V・ファーレンのことは一旦忘れて、目の前のGame2に集中しようと気持ちを切り替えた。
昨日のGame1と同様、VELCAのブースターは三々五々とやって来た。
屋外でお仲間と想われる方にハリセンを配っていると、そこにつかの間の輪ができる。
互いに、言葉を掛け合う言葉は「がんばりましょう」
完全アウェイのアリーナでも、応援の力で選手を押すことができたGame1の満足感、その疲労感、連勝への希望。それらが入り交じった気持ちがそこに詰まっている。
日本には古来から「勝って兜の緒を締めよ」「勝負は下駄を履くまで分からない」「おごれる人も久しからず」といった格言がある。
定番の「勝ちましょう」という言葉を使うのは、憚られる・・
そんな気持ちが、ここでは、共有されているように想う
コートサイド1列の座席は、最もアウェイ・エンド寄りのブロック
それでも両隣りはアルティーリ・ブースターに挟まれている。
着席する際、両隣りに挨拶したが「あぁ、はい」とだけ薄い反応が返ってきた。
まぁ、それが普通というものか
それでも、今日もベンチ裏にはVELCA軍団がいる。孤軍奮闘じゃないことが、少しは気持ちを楽にさせたが、いざ、試合が始まると、現実は簡単ではなかった。
文中の専門用語については→ど素人!バスケットボール観戦用語をご覧ください!
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