ヴェルカのB1昇格決定戦 関東アウェイ組の「千葉遠征三日間」記録【1話】
2023年5月10日(水)
Semi Finalを二日後に控えた朝、1個のゆうパックが届いた。
差出人は、佐世保でのQuarter Final 2試合に参戦した姉からだ。
WE HAS IT!のTシャツ、ハリセン、そしてぽるとなど白十字パーラーで買ったお菓子^^)
佐世保の2戦を戦ったグッズをリレーして、僕は千葉へ往く。
「ハリセンは2枚重ねにして叩くと、いい音がするよ」
そう姉が教えてくれたので、予め、2枚重ねてセットしておく。
届いた荷物の底に、Quarter Finalのマッチデープログラムが入っていた。
ホーム観戦経験のない僕にとって、初めて接する情報だ。
選手・スタッフ・ヴェルチアの紹介が並び、熊本ヴォルターズロスターのページには、伊藤拓摩GMの「見どころ解説」が載っている。
拓摩GMの話しがききたい
試合を前にした時、試合が終わった時
どんな時も、前を向ける拓摩GMの話しが
長崎に住んでいると、そうした機会があるのかも知れないが、関東アウェイ組には滅多にない。
2023年5月12日(金)
総武線快速「千葉」行きに乗れば、終点が目的地。
昼間のこの時間帯から寝てしまうほど疲れてはいないが、乗換がないことは心をリラックスさせる。
金曜日の午後、サラリーマンの皆さんはまだ、働いている時間帯。
仕事終わりに駆けつけるブースターは、どきどきして仕事が手につかないのではないだろうか。
僕がサラリーマンだったら、半休か全休をとっていたと想う。
人は忙しいほうが、気が紛れる。
どきどきすること、不安なこと、悲しいこと
「あまり考えたくないな」「考えると辛くなるな」ということがある時、忙しければ、そちらに気を取られて、結果的に思い出す時間が少なくて済む。それを一般的には「気が紛れる」という。
ところが、目の前にルーチンワークがない、つまり「ヒマ」だと、気が紛れない。
この一週間、頭の中はぐちゃぐちゃだった。
「B1昇格」という、最大のテーマを決する試合に立ち会うだけでも気が重い。
しかも3試合制というのが、ものごとを複雑にする。
去年以降、B2とB3の PLAYOFFSでは「Game1を取ったチームが勝ち上がる」という法則がある。
初戦を負けたら難しいな。初戦を勝ったとしても難敵アルティーリには、それで五分じゃないのか。1つ勝てば2戦で決まるといいな。3戦までいき3日通って負けるのはかなりキツいな・・・
3試合で起こりうる結果のシミュレートは、パターンが多くて収集がつかない。
こんな時こそ「リラックスして楽観する」ことが良策なのだが、アウェイで上位のアルティーリと当たることに楽観的になれというのは無理がある。
相手の強さを想えば、怖さも不安も増してくる・・
この一週間は、本当に苦しかった。
終点「千葉」に着く
千葉の天候は「くもり」
ここから千葉ポートアリーナまでは徒歩20分ほどで行ける距離だが、今日は千葉都市モノレール経由を選択する。
JR千葉から、遊園地のアトラクションのように不思議な動きをするモノレールに乗り、一駅めの「市役所前」で下りると、風が冷たい。
そうか、都内より千葉は寒いんだった。手袋を手荷物から外したことを後悔した。
開場時間(17:30)の1時間前
1台のキッチンカーがスタンバイを終えているが、人影はまばら
千葉ポートアリーナに来た時の"いきつけ" MINATO CAFÉに上がると、そこに志波さんが居た。
これから始まる試合について、誰かと何か話せるということは、とても気が紛れる。
僕らは素人なので、戦術的なことや予測を話すことは不毛だが、「最近は肌寒い日が続きますね」までは遠すぎない、実務的な話しをして時を過ごす。
ただ1つ言えることは、僕らにはこの「千葉遠征三日間」で、何が起こるのか全くわかっていないということだ。
試合結果はもちろんだが、チケッティングはどのように行われ、ヴェルカ・ブースターがどれくらい来て、どのような応援ができるのか。
そして、それは日を追う毎に謎が解けていき、3日目にしてとてもシンプルになった。
その顛末を時系列で書き留めておこうと想う。
この日、僕らの話題は、僕らが関与できる部分、すなわち「どのように応援するか」というところに集約された。
直近の関東アウェイ戦は【16節】越谷戦だが、当時は「声出し応援」解禁前。
僕らができたことはクラップのみ。当然だが、声無しではブースターが声を合わせることはできない。その環境下では、ただ1人声が出せるアリーナMCとホーム・ブースターだけが、一体となって応援することができた。
従って、当時の僕らはまさに孤軍奮闘。バラバラの座席から、時にはとなりに座っていても、クラップはバラバラ。個人の熱と圧で戦っていた。
V・ファーレン・サポーターにとって「個の力」はいつも、対戦相手の監督に言われてイラっとしている言葉だ^^;)
千葉の三日間が終わった今、想うのは今回のSemi Finalが「声出し解禁後」で助かったということ。
これがもし「声無し」だったら、僕らの声なき声は圧倒的なホームのクラップにかき消されていたかも知れない。
そんなことで、この試合はヴェルカの関東アウェイ組にとって初めての「声出し」
今シーズン、西宮ストークスや熊本ヴォルターズ・ブースターが行っていた応援を参考にして、志波さんがSNSに上げたオフェンス、ディフェンスのそれぞれ1パターンが、多くの方に伝わるように・・この時はそれを願うばかりだった。
つづく
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