恐れていたアルティーリのロケットスタート 狂い始めたヴェルカ・ブースターのリズム 「千葉遠征三日間」【5話】
【Semi Final(ベスト4)】Game2
5月13日(土)17:00
アルティーリ千葉 - 長崎ヴェルカ(1勝)
千葉ポートアリーナ
【1Q】
スターティング5はGame1と同じメンバー
狩俣昌也 マット・ボンズ パブロ・アギラール 高比良寬治 ジョーダン・ヘディング
アルティーリの選手が昨日負傷した「13 レオライオンズ」のユニフォームを掲げている。
MCの求めにより全員がスタンディング・オベーション。コートの空気が昨日とは明らかに違う。MCの演出がボルテージを上げている。
ティップオフはパブロが跳び、ポゼッションはアルティーリ
0:23 【アルティーリ】 大塚がいきなり右ウィング3p 先制は今日もアルティーリ 3-0
0:49 【VELCA】 VELCAの初得点は、パブロからのバウンス・パスでボンズ 3-2
2:17 【アルティーリ】 アルティーリは3pを100%沈めてくる VELCAがTIME OUT! 11-5
3:16 【VELCA】 パブロFT×○ 今シーズン途中から変わったパブロ独特のモーションにアルティーリの選手が我慢できず、レーンを超えている アルティーリの選手が「ファウルスローではないか」とアピール 11-8
5:20 【アルティーリ】 3pがここまで5/5 VELCAここで前半2回のTIME OUT!を使い切る 23-10
アルティーリ千葉 31-18 長崎ヴェルカ
恐れていたアルティーリのロケット・スタートをやられてしまった
最大-21点差から最後は8連続得点で点差を詰めて2Qへ
昨日はあれだけ聞こえていたVELCAコールが今日は聞こえない。
その要因は2つ考えられた。
1.僕がコートサイドにいるため、ベンチ裏「VELCA軍団」の声が聞こえない
2.アリーナMCがVELCAコールに、しっかりコールをかぶせている
そこで「VELCA軍団」がコールする時に上げる手や、志波さんが掲げる「Go Go VELCA」のボードに合わせることにした。
手やボードが上がったタイミングでコールだ。
昨日、ベンチ裏に居る時は「コールの声とクラップの音」が選手に届くのであって、コールと共に上げる手は必要ないかなと考えていた。
その「上げる手」こそが、コールが聞こえない環境では大切なサインだったのだ。
【2Q】
2:20 【VELCA】 リオンのカットインでようやく2Q最初の得点 33-20
5:00 OFFICIAL TIME OUT 40-25
この間を使って、リュックからポカリスエットを取りだして給水する
今日はOS-1を買いそびれ、品川駅のホームで用立ててきた
15点差ならば、まだまだ・・
選手の靴がきしむ音、互いに英語で指示する声、ファストブレイクで走ってくる風切り音さえ聞こえるのがコートサイド1列の醍醐味なのだが、今日はなにも聞こえてこない。
VELCAができて以来、僕らはずっとコロナ禍でバスケを観て来た。
あれは、コロナ禍「声無し」時代に限られた風物詩だったようだ。
7:42 【VELCA】 Game1ではプレータイムがなかったウィタカケンタIN 45-26
点差が離れている
主力のプレータイム温存は、Game1を取ったチームの特典だ
この試合が取れなくても、Game3に向けて、プレータイム・シェアできていれば、Game3の後半に効いてくるはず、きっと・・
(誰にも言えない心の声)
9:01 【VELCA】 ジョーダン・ヘディング ドライブ・フェイクから左ウィングでオープンの高比良寬治へキックアウト 3pを沈める 47-28
この苦境で気持ちが塞いでいたのか、寬治が3pの当たりがいいことに気づいていなかった。ましてや、寬治の3pがGame3の爆発につながるという光明を見いだすことは難しかった。
アルティーリ千葉 18-13 長崎ヴェルカ
SUBTOTAL 49-31
<ハーフタイム>
志波さんと短く言葉を交わす
「厳しい・・・」「そうですね」
それ以上、僕らに言える言葉がない
昨日の「故郷」であるVELCAのベンチ裏に行くと、今日も常席にアルティーリ・ブースターのサトウさんがいた。
昨日初めて会ったばかりだが、十数年来の友人のような親しみがある。
「コートサイドは寂しいですよ。(ベンチ裏の人が)誰か変わってくれないかなぁ」
僕はそんな泣き言を残し、とぼとぼと「完全アウェイの地」コートサイドに戻る
今日と明日、自分が選んだ場所で、なんとかやるしかない・・
この時はそう考えていた
「後半はオレたちのもの」
VELCAが初めて関東にやってきた深谷ビッグタートルの試合(さいたまブロンコス戦)以来、VELCAは一貫して後半に強かった。
後半になっても、フィジカルで上回るVELCAの「HARD」は落ちない。
一方、相手チームには積もった疲労の雪が効いてきて、パフォーマンスが落ちてくる。
だが、今日を落とせば後がないアルティーリが、ここでペースが落ちるとは思えない。むしろ「このまま、落とさないでほしい」と考え始めていた。
つづく
文中の専門用語については→ど素人!バスケットボール観戦用語をご覧ください!
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