奥多摩参考記録【14話】見つからなかった奥多摩温泉神社
奥多摩温泉神社につづく階段を上りきると、そこには、ありふれた田舎の風景があった。
あたりを見回してみる。だが、神社はこちらと順路を示す手がかりは見つからない。
しかたなく、こちらかと思う右方向へ歩いてみる。けれど、材料はない。
(あとで地図を見返してみると、この時、左へ行くのが正解だった)
おかしい、確か神社は高台にあるはずで、僕がとっているルートが確かならば、上り坂が僕の心拍数を上げるはずだ。
ところが、僕の膝は体重を受け止める態勢に入っている。道が下っているのだ。
しばらくいくと標識があったが、温泉神社の文字はない。
上らなければ神社に着かないと分かっていても、あてもなく上って行くには、気温が上がりすぎていた。
そろそろ、エアコンを使いたいくらいの暑さだ。次に何処かで休憩した時にエアコンをつけよう。
だらだらとした下り坂を降りる途中、さっきの標識を写真に撮っておけばよかった。引き返そうか?と思ったが、体がノーと言った。
奥多摩温泉神社は、ここで断念した。
これで、参拝を予定していた三つの神社のうち二つにたどり着けず、残るは奥多摩駅そばの奥氷川神社だけになった。
坂を下り終えると、青梅街道のトンネルの隣りへ出た。
温泉神社に向けて僕が歩いてきた道は、旧道だったのだろう。
さて、ここからは「仮面ライダータイム」に入っていく。
果たしてうまくいくだろうか。
11:50
奥多摩湖沿いに青梅街道を歩く道に戻った
小河内ダムの堤防道路、その上に四角い箱が2つ
このアイコニックな建物がなんであるか、しらべてはいなかったが、もうすぐあそこへたどり着く。そう想うと神社ショックは何処へやら、気持ちがウキウキしてきた
12:00
奥多摩湖の駐車場にたどり着く。
奥多摩湖バス停周辺(小河内ダム管理棟周辺)には、大きく4つの駐車場があり、いずれも相当な台数がある。週末はわからないが、平日の今日はガラガラ。
駐車場の湖岸寄りに売店が1軒。土産物は登山後の帰り際に「奥多摩水と緑のふれあい館」で買う予定なので、ここはスルー。
後で知るのだが、ここ大麦代園地売店では「アメリカンドッグ」が名物であると「食べログ」に載っていて、ちょっと後悔した。
次に訪れる時は、アメリカンドッグを「行程」に入れよう。
駐車場のトイレを借りる。キレイだった。
トイレ周辺のベンチには、山の装備をした登山者や、バイクのライダーたちが、どこかで調達したおにぎりや弁当を食べている。
おっかなびっくりの僕とは違って、手慣れた風情だ。
僕は「ここでは初心者ですが、びびっていませんよ」と、治安のよい町には必要の無い平静さを装い、木陰のテーブルを選んで、パックを置いた。
太陽が直射するなか、1カ所に留まるのは、難しい状況になっていた。
12:05
準備してきた「山装備」を、パックから出してテーブルに並べる。
パテックス機能性サポーターハイグレードモデル膝用と足首用、レオンポケット4。
食べ物と勘違いしたわけではないと思うが、一匹の蟻がレオンポケット4の白い筐体に近づいてきた。
ここは奥多摩、山のどまん中なのだ。
蟻が機械に入り込む前に、着るエアコン「レオンポケット4」を首の後ろに装着。
専用の温度・湿度センサーである「レオンポケットタグ」はカラビナを介して、ウェストポーチにつける。
「レオンポケットタグ」はペンポケットなどにクリップする仕様だが、散歩・山歩きでは「必ず落とすやつ」だ。
そこで、カラビナを付けて、金具がクリップをすり抜けないようセラポアテープでテーピングした。
2ヶ月以上、これで使っていて、一度も落としたことはない。
「レオンポケットタグ」は、2023年4月の発売早々に品切れ完売した。貴重品なので、落とすわけには行かない。
膝サポーターをここで付けるのは、移動の電車で足がうっ血するのを防ぐため。
これで、体の露出部分がなくなり「登山モード」となった。暑かったので「2020灰パン」の膝下パーツは付けなかった。
12:10
再び路上へ
さっきまでの青梅街道はスポーツカーが、すぐそばをカッ飛んで怖かったが、ここから小河内ダムまではガードレールで隔てた舗道が整備されていて、安心して歩くことができた。
12:17
スマホアプリが記録していた気温は22度だが、日を遮るものがない路を歩いてきたので、体はずいぶんと暑さを感じている。
「ダム湖百選 奥多摩湖」のモニュメントに着いた。
僕は「関東の駅百選」も知らなかったし「ダム湖百選」はおろか「ダム湖」ということばも知らなかった。
後日しらべると「ダム湖百選」は日本ダム協会が選定していて、東京都からは、ここ奥多摩湖(小河内ダム)以外に多摩湖(村山下ダム)が選ばれていた。
ここは一枚押さえておこうと、ウェストポーチからiPhoneを取り出す。
「風が気持ちいいね」「景色いいね」
ドライブで来たのだろう。手荷物を持っていないグループが自然を満喫している。
彼らがフレームに入るため、僕は少し待った。
初めは腰当たりにあったiPhoneをお腹の前に上げた頃、その"何をするでもなく佇む"人の違和感を察してくれた。
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