奥多摩参考記録【1話】DJトギーが僕に奥多摩を教えてくれた
長かったコロナ禍が終わり、日本政府が新型コロナウイルス感染症を5類感染症に移行した五月の連休明け、僕は初めて奥多摩の地を踏んだ。
そうだ、奥多摩、行こう
そう決めたのは、コロナ五類移行の時期が固まりつつあった2023年立春。
九州で生まれ育った僕は「奥多摩」を知らなかった。
東京タワーや東京ドームは九州にもその名が轟いていたけれど、奥多摩を知らなかった僕が「奥多摩」に接したのは、2007年に使い始めたカーナビのナレーションだった。
「東京と言えば都会というイメージを持たれていますが、まだまだ珍しい動物も居ます。それは奥多摩にいます」
当時、Panasonic製のトヨタ/ダイハツ純正カーナビには「Music Stylist(ミュージック・スタイリスト)」というおまかせ再生機能がついていた。
「おまかせ」ボタンをタップすると、3曲☆3曲☆4曲の10曲から成る1クールが流れる。
☆印の曲間には、リリー(DJ SAYURI)とトギーと名乗る女性と男性のDJが登場。
季節、月日、時間、場所、曲情報、ユーザーの嗜好を元に、予め録音されているDJ・ナレーションが流れる。
HDDに予め録音されたものが音源なので、数年経った頃にはすべてのナレーションが既知となり「おまかせ」をタップする機会は減っていったが、当初は気に入るとこればかり聴いていた。
「東京と言えば都会というイメージを持たれていますが、まだまだ珍しい動物も居ます。それは奥多摩にいます」
幻想的なジングルに続いて、DJトギー(男性)がそう言った時、僕は都内を走っていた。(いつも走っているが)それが奥多摩との出会い。
東京は大都会だが、計画的に緑地が配置されており、都心に緑が多いことは、東京に住み始めて2~3年が過ぎた頃から感じ始めていた。
田舎から東京に移り住んだ頃「東京はずるいな」と想っていた。
首都、大都会としての賑わいがあり、利便性が高い一方では「自然が足りない」「人間らしい暮らしがしづらい」と考えるのが一般的だと思うが「いやいや、実は自然も豊かなんです」ときたもんだ。
東京は「住みよい街」でもあるのだ。
遊ぶところが多いとか、KISSが公演するといった理由だけでは、いずれ人は疲れて田舎へ帰ってしまう。住んでいて心地よくないと、人は長く住み続けられない。
僕が「Music Stylist」に飽きるまで「奥多摩ナレーション」は3度ほど聴いたと思う。
なるほどね、東京とは想えない大自然がそこにあるのだなと、僕は想った。
ただ「自然」に接したければ、等々力渓谷や、何処までもフリスビーが飛ばせそうな大きな公園が23区内にもある。
DJトギーが薦めてくれた奥多摩を訪れようという動機付けは生まれなかった。
2023年の立春までは
2023年立春
この地政学と震災リスクにおいて不透明な世の中において、自分ができることは限られているなか、今年は神社巡りに力を入れようと考えていた。
そんな時、旧友が奥多摩を薦めてくれた。
この話のタイトルは「奥多摩参考記録」
本来ならば、奥多摩山行記録とするところだ。
山行【さんこう】とは、山に行くレジャー、山歩きを指す言葉。
広辞苑第七版では、①山を越えて行くこと。山中の旅行。②山に遊びに行くこと。山あそび。山歩き。と記されている。
登山、ハイキング、神社参拝、名所観光をセットで愉しむ今回の奥多摩行きを一括りにする言葉として「山行」ほど、しっくり来る言葉はない。
だが、今回の奥多摩山行は、結果的に僕の想像とは大きく異なる内容となった。
いつか、記憶が新しいうちに、再トライしたいと想う。
そして、これから新たな趣味として「山行」を愉しみたいと想っている、僕を含めたすべての「ど素人!」の皆さんの参考記録となるよう「奥多摩参考記録」とした。
しばし、お付き合いください。
| 固定リンク | 0
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 貸し切りの平和祈念像 長崎稲佐山スロープカー(2025.02.05)
- 初日から速さに目を見張ったFLAGSHIP STOREの会計オペレーション(2025.02.02)
- 磨き抜かれた夢の街 長崎スタジアムシティ開業 しらべるが選ぶ2023年の5大ニュース【1】(2024.12.28)
- 東町運動公園とアダストリアみとアリーナが頭の中でつながらない(2024.12.23)
- 長崎とここに訪れる人達を笑顔にする町が、まさにあと数分で生まれようとしていた(2024.12.11)
コメント