あなたの目がなにかを見ようとする時、距離に応じて、あなたの「毛様体筋」がレンズ(水晶体)のピントを調節している。
スマホを見たり、まな板の上の鯉を見たり、テレビを見たり、パソコンを見たり、窓から外を見たり・・・
あなたが「見る場所」は、それぞれ異なる距離上にあるため、物流業界でドライバーの加重残業が問題視されているように、毛様体筋はいつも過重労働を強いられている。あなた自身によって・・・
その労働は、デリバリーの方がマックに行ってテリヤキバーガーを運んでくるように、誰かに代わってもらうことができない。
ヒマ人のサトウさんが「じゃ、僕が代わりに見ておきます」というわけにはいかない。
自分が見るものは、自分でなんとかしなければならないことは、地球が始まって以来、そこは疑う余地がなかった。
だが、疑ってみた人がいたのである
そして、代わりにピントを合わせてくれるモノを作った・・・
ここまでの長い前置きで、この新製品への驚きが、少しでも伝わっていればいいのだが。
ViXionが発売するオートフォーカスアイウエア「ViXion01」の受付が、2023年6月29日に始まっている。
■概要
メーカー:ViXion(HOYAから独立)
品名:ViXion01(当初は、開発コードのMWFという名称で紹介されていた)
特別価格:70,800(税込み・送料込み)
■時系列の記録
2022年4月22日
WBS トレたまで紹介される
2022年12月20日
WBS トレたま大賞に選ばれる
この時点では「2023年春、10万円以下で発売」と謳っていた
2023年6月2日
クラウドファンディングサイトKibidangoで情報公開
⇒https://kibidango.com/2371
2023年6月29日
クラウドファウンディング「Kibidango」で受付開始
開始から18分で、目標の500万円を超え、プロジェクト成立。ViXion01が世に出ることが決まった。
同日、二子玉川にある蔦屋家電 1F 「蔦屋家電+」で体験展示が始まった
8月24日
サポーター受付終了
この日までに申し込むと、70800円の出費で年内に届く見通し。
当初「予定価格10万円以下」と公表していたので、通常発売価格は78,000円~98,000円程度と推察する。
僕は少し乗り遅れたサポーターだった。
サポートは「イノベーター割引価格 67,800円」で申し込んだものの、ネット上には既に体験した方の感想が上がっている。
年内に届くとしても、まだ5ヶ月待たなければならない。
自分の言葉で、その驚きを、早く形にしたい。
焦燥感すら覚えていた僕は 「味の素スタジアム」に足を運ぶ途上で迂回し、二子玉川に降り立った。
平日のお昼過ぎということもあり「蔦屋家電+」のViXion01体験コーナーは空いていた。
(デモ機は1台)
店員さんがデモ機を持ってきて、僕に手渡す。
ViXion01は、使い始めに「キャリブレーション」というピントを合わせる初期設定があり、ある程度の時間を要するだろうと、軽く身構える。
メガネ屋さんで新しいメガネを作る時の所要時間を思い浮かべていたからだ。
はじめに、両目の位置を合わせる
生まれてこの方「motoさんは目と目が離れていますね」と言われたことはないが、左右それぞれのレンズをスライドさせて、両端いっぱいにセット。
つづいて、右テンプル(つる)のダイヤルを回してピントを調節
この操作で左右レンズの焦点が変わるのだが、僕は左目を閉じて、右だけを合わせた
双眼鏡のピントを合わせる時のように、とてもカンタンにピントが合った
「左は視力違いますか?」
店員さんが問いかける
左右の度数が同じならば、これで「キャリブレーション」完了
僕は左右の見え方が違う
つづいて、左テンプルのボタンを押しながら、先のダイヤルを回すと、左レンズだけ焦点が変わる
これで「キャリブレーション」完了
ここまで、1分かかっていない。
こんなに早いのか
これならば、貸し借りも容易だ。
夫「ねぇ明日在宅勤務だから、ViXion01貸して」
妻「事務所でも使いたいけど、まぁいいか」
こんなやりとりが、あちこちの家庭で交わされて、家族の話題づくりに一役買うだろう
「motoさん、なんで屋内でサングラスかけてるの」
「ちょっと、試してみる?」
この年末には、こんな会話が、あちこちの職場で交わされるだろう
(ここまで、脳内イメージの実況)
手元に近づけた字を読む
確かにピントが合っている
つい、隙間から自分の目でも見てしまう
これが、通常メガネとの最大の相違点
ネット上には「視野が狭い」という感想が上がっていた
これは、眼球とレンズの距離を縮めることでも改善されるだろうが、レンズに睫が当たるのは厄介だ。僕自身、パッド(鼻当て)が低いボストンタイプのフレームが実用に耐えなかった経験がある。
ViXion01のデモ機では睫が当たることはなかったが、この距離を詰めることには危惧を覚えた。
形状、部品などの物理的な改善は、これから納品までの間にも行われる様子。
スマホアプリのようにソフト面でのバージョンアップも視野に入っていると想われるが、現段階の初号機では実現していない。
つづいて、パソコンの距離、テレビの距離、遠くの距離と「見る場所」を変えてみる。
瞬時にピントが合うのがわかる。これは、触れ込み通りだった。
パソコンのように一定距離の「見る場所」を見続ける時のために、ピントを固定する機能もついている。この機能をどう使うかは、実用の中で探っていきたい。
用途はとても限られるのかも知れないし、ViXion01の画角に慣れれば、いつも何処でも手放せなくなるのかも知れない。
新しモノ好きにはたまらない
この製品のユーザー分布図が「日本の新しもの好きが多い町」マップになるかも知れない。
ほぼ一日、パソコンやスマホを睨んでいて、ここ数年、眼精疲労に悩んでいる。
ViXion01最大の恩典は「毛様体筋の過重労働」を軽減することだと考えている。
2023年内に届いたViXion01を使い初めて数ヶ月後、果たして「眼精疲労の2024年問題」は、解消に向かうのか。
定期的に状況をお知らせしていきたい。
→ViXion オートフォーカスアイウェア講座