奥多摩参考記録【18話】痩せ尾根「滑落」→「大けが」→「遭難」
サス沢山に向けた山行は始まったばかり
2分ほど歩くと、最初の道標に出た
12:59
左:第1広場(便所) バス停
右:御前山 頂上広場
中:展望広場
僕は「第1広場 バス停」の方からやって来た
これから目指すのが御前山の道半ばにあるサス沢山
展望広場のことは事前にしらべが及んでいなかった。恐らく奥多摩湖を見下ろす展望台が整備されているのだろう
ここで、いいんじゃね(ここで終わりにしよう)
単独行だから、相棒はいない
行き交う登山者は誰もいない
もう1人の自分が遠慮無く声に出して自分にツッコンだ
登山を始めてからまだ少ししか上っていない。
時間にして2分。
だが、既にきつ過ぎる。「奥多摩プロジェクト」に向けたカラダ作りは、一ヶ月ほどでやめてしまっていたし、一日じゅう座っている暮らしのフィジカルに、この急坂はメンタルに来た。
ここで「展望広場」に折れて「わぁ、きれいだなぁ パチリ」と奥多摩湖を撮っていればよかったのだろう
枯れ葉と小石を踏みしめて進むと、次の道標に出た
後で写真のタイムスタンプを見て、この間隔が「3分」であると知るのだが、登っている時の体感時間は「10分」ほどだった
13:02
左:御前山
右:頂上広場
左:第1広場(便所) バス停
今、目指しているサス沢山は御前山登山ルートの途中にある。従って、僕が進む路は「御前山」一択。
この時は気づいていなかったが、ここで「御前山」と「頂上広場」が分岐。
この「頂上広場」とは何のことなのか、考える余裕もない。
写真では道標の奥は崖になっていて、木陰の静寂の向こうに奥多摩湖が映っているのだが、この時の僕には見えていなかった。
順路に沿って進めば必ず目的地に着くと信じていたし、今自分がどの方位に進んでいるのかという感覚は初めから放棄していた。
このわずかな距離の間に二度、道標が整備されていたのは心強い
思いのほか、楽しい行程になるのかも知れない
いきなりの急坂で早くも心折れそうだったが、少しだけ心に楽観の雪が積もる
入山してすぐの整然とした石段は今や昔、僕が往く順路は木の枝や石、踏みしめられた枯れ葉といった頼りないものに変わっている
しばらく往くと、一旦上りが途絶え、平坦になった
この10年ほど続けている「山と溪谷」での疑似登山によれば、山は登ったかと思うと下ったり、しばし穏やかな散策路が続いでは上るといった変化に富んだもの
少し休めるな・・と思ったら、そこは「痩せ尾根」だった
「痩せ尾根」とは両側が鋭く切り立った狭い尾根
尾根の路が細い=痩せているから「痩せ尾根」
ヒトはイメージしたことを体現しやすい
こんなところで、どちらかにバランスを崩したら「滑落」→「大けが」→「遭難」が待っている
想像した途端、ふらっと体のバランスを崩し、危うく落ちそうになった
やべっ
洒落にならない バランスを立て直すのと早くこの場をやり過ごすことの両方を目途として、加速をつけてその場を抜けた
ほっとすると、左手が開けているのを感じた
どの方位に進んでいるかは考えていない。今のところルートを誤っていないことだけは大丈夫
そうだ、給水しよう
パックのポケットからOS-1を取り出して一口のむ。いや、ここは踏ん張りどころだ。用意してきた「WINZONEジェル」も取り出し、チューブを何度も折りながら最後の一滴まで腔内に絞り出す
「WINZONE ENERGYxENERGY」はマラソンレース中に10kmごとに補給する「タイムを金で買うサプリ」として愛用しているが、今回の山行用に注文したところ(製造中止なのか)買うことができず、代わりに買ったのがこのジェル。
メーカーの日本新薬は「新卒3年以内の離職率最低」という優良企業。僕はとても好きな会社なので言いづらいが、このジェルはまずかった。マラソンを始めてから30種類くらいのジェルを摂った中でも最高だと思う。
「良薬は口に苦し」と言うからなぁと暢気なことを考えていると「ぶーん」という羽音がした
左手を見ると2つの物体がホバリングしている
蜂だ・・
あぶねっ
不味いとか言っている場合ではない
ジェルの甘い匂いを嗅ぎつけたのか、いや、これ甘くないぞと言っても、彼らには通用しない
「蜂に刺される」→「要治療」→「救助要請」が頭をよぎり、またも加速してその場を離れた
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