奥多摩参考記録【29話】奥氷川神社の境内はゲートボール場
14:39
神社の入口がわからず三本杉の麓で周囲を覗っていると、誰かが誰かを怒鳴る声が聞こえてきた
「もっとこう***しなきゃダメだよ」
高齢男性の声。怒鳴られた方の声は小さくて聞き取れない
何らかの道具の使い方をレクチャーしているようだが、目で見える情報がないので要領を得ない。清掃員の先輩が後輩の新人を指導している・・そんな情景が浮かぶ
三本杉の麓からスロープを降りると境内が見えてきた
神社の入口である鳥居はその右手にあった
声の主は境内を掃除する神職ではなく、ゲートボールをプレーする人々だった
「よし、次」
この競技の知見がない僕は、プレーヤーが使う専門用語が聞き取れない。先の怒鳴り声はスティックの使い方についての技術指導だったようだ
長方形の整地された境内いっぱいに、コートのラインがとられており、ラインを示すグラウンドロープは杭で地面に埋め込まれている。
境内が「常設のコート」という光景に言葉を失いながらも、コート内を踏まないよう、コート外のわずかに残った境内をカニ歩き。
コート内を踏んだからといって「そこ、入っちゃダメ」と指導されることはないと想うが、ここでは、参拝者とプレーヤーのどちらが優先という概念は存在しない
本殿と想われる建物へ向かう
想われるというのは、そこに「参拝時間中」を醸し出す雰囲気がなかったからだ
まだ、時計は15時を回っておらず 「本日の参拝時間は終了しました」という時間でもない
辛うじて賽銭箱はあるが、本殿の扉は閉じられており、おみくじもなかった
それでも、ようやく、今日初めての神社参拝
いつもと同じことばで祈り、お礼を述べる
振り返ると、プレーヤーたちは、僕など意に介さずプレーを続けている
僕は再び、コート内に立ち入らないよう、カニ歩きで境内を後にした
初登山を「勇気ある撤退」したことで浮いた3時間
次の青梅行きまで、奥氷川神社でゆっくり時間を過ごしたいと想っていたが、それは叶わず。
徒歩3分で奥多摩駅に着いてしまった。
駅名は近隣の奥氷川神社にちなみ氷川と命名された
「氷川駅」からの面影を残した駅舎は旅愁に溢れてはいるが、だからといってじーっと見ていられるわけではない。
駅舎に入り次のダイヤを確認する。既にわかってはいたことだが、次の青梅行きの出発まであと40分ある。
これから何処へ行こう・・・
そう想った時、二階につながる階段の上がり口に、喫茶店らしきお品書きが目に入った
「アイスコーヒーだけ」というのもできそうだ
そう想って階段に1段足を掛けた時、もう1人の自分が囁いた
喫茶店でコーヒーなんて、いつでもできるじゃないか
滅多に来られない奥多摩に来ているのだから、辺りを散策したほうがよくないか?
この時、彼の声に耳を貸すべきではなかったが、僕は階段に乗せた足を戻して駅舎を出た。
そうだ、トイレ、行こう
時間に余裕がある時、その意欲の有無にかかわらず、人はまずトイレを済ませる
トイレは掃除が行き届いていて、とてもキレイだ
そういえば、奥多摩湖駐車場や「奥多摩水と緑のふれあい館」のトイレもキレイだった。
さっき奥氷川神社から歩いて来る途中にあったお店へ
子どもの頃、田舎にあった「地域の雑貨食品店」に、若干、奥多摩土産店の要素が付加されている
他には観光客が覗ける店はなく、あっという間に散策は終了
青梅行きまでの待ち時間は、何の変哲もない駅舎の休憩室で過ごすことにした。
奥多摩駅は、2019年に現在の姿にリニューアルされた。
駅舎の2Fは奥多摩のビールやコーヒーが飲める飲食店で奥多摩の土産物ショップもある。
2020年2月に駅舎のテイストに合わせて奥多摩観光トイレがリニューアル。更衣室、靴洗い場が設置された。
残念ながら、それらの情報を知ったのは、奥多摩から戻って2週間が過ぎた時だった。
しらべているのか、しらべていないのか、自分がよくわからない
それだけ、この地の奥が深いのかも知れない。奥多摩だけに・・・
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