切符を持たずに乗車する「新幹線eチケット」の使い方
初めての山形県 鳥中華、山形戦、米沢牛の旅
「車内販売はありません」と無情の知らせを優しい声で告げた車掌さんは、車内放送の最後を「携帯電話の通話はデッキでお願いします」と締めくくった。
その舌の根も乾かぬうちではなくて、放送が終わってすぐ、後ろの席から声がした。
「はい、大丈夫です」
車内は空いているから、ちょっとだけならいいと想ったのか、電話を受けた客が話し始める。
「はい、フォロワーさんの意見は取り入れてます」
「いいお話なので、メモアプリに書き込みますね」
空いていて静寂な車内、小声で話す訳でもなく、口の向きは僕に向いているので、その会話はあたかも僕が話し相手であるかのように克明に聞き取れる。隣戸のzoom会議がうるさいどころの騒ぎではない。
思考を迷わず行動に移す人がその後ろにいたら、今頃、椅子の背を蹴られていてもおかしくない。だが、車内は静寂を保っていて誰も蹴る様子はない。
「すみません、通話はデッキでお願いします」
と注意する役割を担うのは、どうやら僕のようだ。
ウォークマンを旅の荷物から外したのを後悔した。
せっかくの旅だから、音楽よりは「旅の音」が聴きたい。
新幹線の車輪がレールを滑走する音や、風の声を聞こうと想い、ウォークマンは持ってこなかった。
どこで、予期せぬ「音の迷惑」に遭遇するかわからない現代社会においては、ノイズキャンセルすなわち耳栓代わりとしてのイヤホンが必要なのか・・・
それでも、次の旅の準備をする時には、やはり「旅の音」を聴こうと思うのだろう。
「それじゃ」
何度か終わりそうになりながらも、なかなか終わらなかった通話が終わったのは30分後だった。
今思えば、通話が始まった直後、マナー違反を指摘する機会があった。
前方から左右の様子を覗いながら足早にやってきた車掌さんだ。しかし彼は話主を一瞥してそのまま通り過ぎた。
車掌さんが足早なのは、検札がないからだ。
今日の新幹線乗車では「えきねっとチケットレスサービス」を利用している。
JR東日本がチケット予約サイト「えきねっと」で提供しているチケットレスサービス。
「在来線特急」では、軟券の発券も ICカードとの紐付けもない。
ただ、乗るだけである。その座席が予約済みか否かは座席上の表示で確認できる。切符を持たずに乗車するのは、ズボンを履き忘れたような頼りなさがあり、初めての時はドキドキする。
■在来線特急 チケットレス乗車手順
∇えきねっとでチケットを購入(乗車券は事前に買わなくてもよい)
∇乗車
・乗車券:交通系ICカード(スマホ含む)で改札を通って乗降する
・特急券:えきねっとから送られるメールまたは えきねっとアプリに載っている特急券情報が特急券の代わりになる
改札を通す必要はない
原則として検札はない
検札を求められた場合、スマホで上記情報を見せる
「新幹線」でも発券は不要だが、指定席予約は「eチケット」として磁気ICカードと紐付ける。
えきねっとのウェブサイトには「チケットレスサービスの申込み方法」は説明されているが、使用方法は書かれておらず、しらべるのは少し骨が折れた。
■新幹線eチケット 乗車手順
∇えきねっとで新幹線eチケットを購入(乗車券は事前に買わなくてもよい)
∇交通系ICカードに紐付ける
▼えきねっと ログイン
▼[マイページ]
▼「ICカードを設定してください」
▼ドロップダウンリストから「手入力」を選択
▼手持ちの交通系ICカードを登録して[確定]
*Suicaはスマホアプリに登録できる。PASMOはできない
これで「予定1」のeチケットの紐付けが終了。
複数のeチケットがある場合「予定2」「予定3」・・・について、同じ操作を行う
∇乗車
新幹線eチケットとICカードを紐付けていて、運賃はICカードで支払う場合、JR最寄駅⇔新幹線乗車駅は、紐付けたICカードで乗車する必要がある。
そのため、冒頭で「磁気カードPASMOで乗車する」と念仏のように唱えていたのである。
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