10年越しでたどり着いた登起波の米沢牛ステーキ
初めての山形県 鳥中華、山形戦、米沢牛の旅
11:00
開店と同時に店内は満席・・ということはなく、店内には予約客の僕1人
予約しておいた注文をおさらいして、ウーロン茶を注文
まずはじめに薬味とサラダが配膳される。
「食べる順番は主菜の前に野菜から」は、もはやニッポンの常識となりつつある。従って肉が来る前にサラダを完食。
その9分後、いよいよミディアムで焼いてもらった米沢牛ステーキが登場。
当然ながらレアで供される「牛にぎり」を頼んでいることもあり、ステーキは標準的に焼いてもらおうと考えた。鉄板に乗ってくることを計算に入れていれば、レアにして良かったかもしれない。
小鉢で先ほどお土産に買った「米沢牛つくだ煮」がついた。
ナイフとフォークを操り、記念すべき最初の一切れを口にはこぶ。
「んまい」とか「やわらかい」とか言うつもりはないが、頭のなかに「?」マークが浮かぶ。
テレビの食レポによると、美味しい肉は「やわらかい」「口の中で溶ける」「箸で切れる」ことになっているらしい。
それらはどれも「食感」すなわち「固さ」の評価であり、僕はそれに賛同していない。柔らかいことが美味しいものの条件だとすれば、人は一生アイスと豆腐で暮らすだろう。
(考えには個人差があります)
ただ、今食べている米沢牛がどれにも当たらないことは確かだ。
さらにもう一切れ・・
僕の心に戸惑いの雪が積もり始める。
これが米沢牛なのか! という特別な感慨が沸いてこないことに戸惑っている。
霜降りがいっぱい入っていれば「その割に脂っぽくない」という感想になるのだろう。
焼いた後なので素人の僕が見定めるのは難しいが、この肉はさほど霜降りは多くない。脂肪交雑でいうと標準の「3~4」あたりだろうか。
脂肪交雑(BMS=Beef Marbling Standard 牛脂肪交雑基準)とは、霜降りの度合いを表す等級で、牛肉 肉質等級基準のひとつ。
□牛肉 肉質等級基準
1, 脂肪交雑☆
2, 肉の色沢
3, 肉の締まり及びきめ
4, 脂肪の色沢と質
このうち2~4は歩留まり等級、肉質等級で「A5」のように表される
BMSは12段階、それを5等級で表す
()内数値がBMS
1, ほとんどない (1)
2, やや少ない (2)
3, 標準 (3-4)
4, やや多い (5-7)
5, かなり多い (8-12)
僕は脂身やや多めが好みだが、そういうことをお店に言ったことはないし、言っていいのかもわからない。
たった1つ言えることは、肉の善し悪しは僕にはわからないということだ。
子どもの頃からナイフとフォークの使い方は躾けられたので、まずまずの捌きができると自負しているが、それでも次の一切れを切るのには苦戦した。肉の線維に逆らってナイフを入れてしまったようだ。
ステーキ登場から6分後、どのタイミングで来るのだろうと思っていた「牛にぎり」がやってきた。
「わぁ、きたきた~」
大勢での会食ならば、テーブルは大きな歓声に包まれるのだろうが、僕は心の声を外には出さず「ありがとうございます」と応える。
ようやく会うことができた「牛にぎり」に「はい、ポーズ」と心の声で号令をかけて、念のためにフラッシュあり・なしで何回かシャッターを切った。
皿に盛られたご飯をナイフで寄せてフォークの背によそって食べる。
今では、ほとんど機会がなくなった。それだけ僕がいかした雰囲気のレストランから遠ざかったのだろう。
ご飯が皿に盛られてでて来たのは嬉しかった。子どもの頃、有川にあった洋食レストランに家族で食べに行ったのを想いだした。店の名前は思い出せない。2018年夏、40年ぶりに五島を訪れた時、店は既になかった。それが時の流れというものだと想った。
故郷に帰った時、子どもの頃から慣れ親しんだ店が今もあり、ずっと続いていくということは心の拠り所になる。
登起波は創業1894年(明治27年)米沢市で最も古い米沢牛専門店
■登起波の歴史
1894年
登起波牛肉店開店
1969年(昭和44年)
登起波が牛肉専門飲食店を併設
1983年
登起波三代目店主尾﨑茂一が「米沢牛肉物語」を出版
1998年
登起波(本店)改装
2004年
手ごろな価格で食べられる分店「登」開店
2012年
登起波五代目店主尾﨑仁が「米沢牛物語」を出版
米沢牛一口食べる、ご飯を含む、からの牛にぎり
なんと幸せな組み合わせ、ひとときだろう
この味をしっかり脳に記憶させよう。
余計なことは「もういいよ」というくらい覚えているもう一人の僕が、これはしっかり覚えておくよと言っている。
鰻屋で焼く鰻のにおいをおかずにして飯を食べるのは落語「しわい屋」だが、僕は家に帰ったら、この食感、味を思い起こしながらご飯を食べてみたいと考えていた。
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