タクシーの運転手さんから、その土地ならではの話しを聞くのが愉しい
初めての山形県 鳥中華、山形戦、米沢牛の旅
就寝前の23時、ビジネスホテル室内の気温は23.6度。
日中のスタジアムで、30度を超える猛暑に晒されたのが嘘のようだ。
なぜ、こんなに過ごしやすいのかはわからないが、快適に超したこと無い。
7月に入って初めて、電気代を節約するためではなく、エアコンを使わずに眠りについた。
【旅の2日め】
寝苦しくて夜中に起きることも、エアコンを入れることもなく目覚める。
リリース日から始めて3日目となるポケモンスリープの睡眠計測では、深い眠りを表す「ぐっすり」の比率が 63% を記録していた。きっと、カビゴンが大きく育ったことだろう。
予定より200円多く支払ったチェックイン以来のフロントに寄り、カードキーを返却しただけで「いってらっしゃいませ」と笑顔で送り出される。
かつて、公衆電話より割高な電話代の精算や、当時はなかなか見る機会がなかった珍しい映像の料金請求にドキドキしたのが懐かしい。
ちなみにこのホテルでは"珍しい映像"のVODサービスが数ヶ月前に終わっていた。
天童を出て10時までに米沢に着くための新幹線は7:50発(米沢8:39着)
少し早過ぎるので在来線(奥羽本線)で行くことにした。
9:04
天童発 山形行き
9:24
20分で山形着 ホーム上10分の待ち合わせで乗換
9:34
米沢行き
日曜日の午前中。背もたれが切り立ったクロスシートは人影もまばら。のんびりと 47分の列車旅を愉しむ
10:21
米沢着
改札にいた駅員さんに「天童→米沢」の軟券を渡したついでに、コインロッカーの場所を訪ねる。事前の調べでは駅を出て左側にあり 400円だった。
「右と左にありますが、右が近いです」
駅員さんのオススメに従い右側のコインロッカーへ。割かし新しさ漂うロッカーは確かに近かったが、すべて大型荷物用で500円。少しもやっとしてから出口まで戻り、今度は左側のロッカーへ。
こちらは「昔からここにあります」という風情で小型は400円。デイパック1つを余裕で仕舞い、スマホ・財布・・と最後の指さし確認をして鍵を捻った。
ここから、11時に予約を入れている食事場所「登起波」までは、バスではなくタクシーを使う。
米沢駅からは市内循環バスが運行していて、上杉神社などの観光地を回ることができる。ただ、便数は少なく1時間に1本程度。
この次に来る左周り(黄色)のバスは 10:35 発で、登起波の最寄りバス停「中央四丁目」着は10:58の見通し。
予約時間にほんの少し遅れてしまう。
お店に事前連絡して「5分ほど遅れます」と言うか迷ったが、夢にまでみた10年越しの登起波に敬意を表して、早めに行こうと想う。
駅待ち列の先頭にいたタクシーに乗り込み「登起波本店」というと、運転手さんはすぐにギアをドライブに入れた。
「なぜ、おじさんは二言目には天気の話しをするのだろう」
最近、SNSでそんな投稿を見た。
顔文字を使うとか、!マークを多用するとか、おじさんと若者を分断する稜線が深まっている。感情表現の顔文字はよくても、潤滑油としての顔文字はおじさんらしい^^;)
誰が何処からどう見てもおじさん同士の運転手さんと僕は、何の違和感もなく天気の話しから入った。
運転手さん「暑いですね」
moto「えぇ、でも昨日の晩は涼しかったですよ」
運転手さん「見ていただくとわかるんですが、米沢の家には雨戸がないんです」
言われて辺りの住宅を見回すと、確かに雨戸はついていない。
運転手さんが米沢の気候解説を続ける
「雨戸は夜のうちに凍って開けられなくなるんですよ。寒暖差が大きいですから。冬は0度から氷点下15度まで下がります」
氷点下15度は、九州生まれの僕には想像がつかないし、そんな僕がこの土地に住むことは難しいと想うが、もちろん口には出さない。運転手さんが続ける。
「夏の夜もエアコンつけないですよ。東京の人は汗を掻かないですよね。東京に行った時、僕はだらだら汗を掻いているのに、東京の人は汗1つかいてなくて・・体のつくりが違うんですかねぇ」
路線バスに乗っていたら、こんな話しは聞けなかった。タクシーに乗るとその土地の話しが聞ける。タクシーにしてよかった。
「どうなんですかねぇ」
それ以上、話題が膨らまない相づちを僕が打つと、運転手さんは話題の矛先を変えた。
「登起波はいいですね。でも僕ら、なかなか行けないですよ」
そこで僕は、手短に「登起波と私」について語る。
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