移りゆく、佐野元春がずしんと心に響く世代
佐野元春 今、何処ツアー2023 ⑩
□水のように|今、何処
♪いつだって誰もが誰かに胸しめつけられて風に泣く(crying in the wind)♪
この一節は「SOME DAY」に収録されている「麗しのドンナアンナ」からの引用。再会を願い誓うこの詩は、ど素人でもわかりやすい。
主語を小さくして言うと、僕が「今、何処」を聴きこみ、その結果とても愉しくいられる理由は、この"わかりやすさ"かも知れない。
「ことば」「サビ」「メッセージ」のわかりやすさ。
いつの頃からか、僕は予約した元春の新譜が届き何度か聴いても、愉しい気持ちになれなかった。
曲がいいとか悪いとか人はときどき口にするけど、そういうことって確かにあると元春を聴き続けてそう想う。
語彙力を疑われそうだから、曲がいいとか悪いとか言いづらいけれど、今思うのは人が「曲がいい」と感じる時、そこに自分にとってのわかりやすさを感じているのだと想う。
元春が戻ってきた
僕はそう感じている
□大人のくせに|今、何処
♪怪しげな偽名を使ったプロパガンダ♪
「プロパガンダ」は今日2度めの登場。確信犯か無垢かを問わず「時代の悪意」に反抗してきた元春。
今僕らが「プロパガンダ」に込められた意味を想像すると、その候補が多すぎる時代になってしまった。
□明日の誓い|今、何処
この日、アルバム「今、何処」から最後の演奏
♪それはただの理想だと人はいう♪
から続く三段論法の詩が乗ったメロディが好きだ。
「Heartbeat」で元春と出会った頃からしばらく、その曲に励ましを感じ、希望を見いだしていた。元春の曲が「自分の曲」として心に響いたからだ。多感な時代、まだ何も手に入れていない時代に聴いた音楽は特別なものだ。
今この歳になって「明日の誓い」が詠う「明日がなければ意味がない」という詩の意味は、聴きこむにつれて「自分の曲」としてその意味が変化していった。
□優しい闇|BLOOD MOON
♪なんだろう人はあまりに傲慢だ♪
サラリーマン人生を生きてきて、このフレーズはずしんと心に響く。思い浮かぶ顔がたくさんある^^)
今も多くの人がそこで苦しんでいると想う。
悩み苦しんだ時は「音楽の力」を借りてほしい。
音楽に慣れ親しんだ20代を過ぎ、仕事や子育てに忙殺されて音楽を離れる時代がある。そして苦しい時期がやってくる。立ち止まってどうしたらいい?と考える。
かつて、元春がTDKカセットのCMで語った言葉がある。
「音楽は力。君は今、それを手にしている。」
それに「私の音楽はここにある」と応えて欲しい。
他会場で演奏されていた「境界線」(BLOOD MOON)が、この日はリストから外れた。
20:30
本篇19曲の演奏を終え、元春とTHE COYOTE BANDは左袖へ捌けていった
神奈川県民ホールは県立の施設ゆえ、会場の使用時間は条例に定められており厳格。
終演のタイムリミットは恐らく21:00だろう。
(神奈川県立県民ホール条例:開館は22時まで)
ここからは「元春G-SHOCK」で残り時間を睨みながら、残りの曲数を占う時間帯となる。
2004年に製造販売された僕の「VISITORS20周年記念G-SHOCK」は去年 液晶が点灯しなくなった。そこで諦めずに銀座のカシオで修理してもらい復活した。
「G」ボタンを押すと EL(Electroluminescence)が発光するG-SHOCKは、会場が暗転するコンサート会場では必携品。
最近スマホで時刻を確認する人がいるが、あれだと光量があり過ぎて周りがドキッとする。
【このお話の目次】Apple Musicでしっかり予習して臨む 佐野元春 今、何処 TOUR 2023
→ど素人!佐野元春講座
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